ファッション誌がつくる世界と現実の乖離
去る7月に編集部で行った、読者1000人への「働く女性たちのファッション意識調査」(実施期間:2022年6/30〜7/7 有効回答数:1017 有役職者:58% コア世代:40〜50代)では、ビジネスファッションに求めるものは、「変わらない」「あまり変わらない」と回答した人が、約60%にも上っている(図表1)。

また、アンケートでは「スーツをよく着用するか」どうかも質問。
「よく着る」「たまに着る」を合わせると38.3%と、4割近くの女性がビジネスではスーツを着用している。また、いわゆるセットアップのスーツではなくても、ジャケットをメインに、ボトムスを着回している人も多いことがわかった。
では、彼女たちが求めるスーツ(ジャケット)とは、どんなものなのだろうか。
以下は、22年春の座談会で上がった意見だ。
「出張が多いので、シワにならないもの。肩や腕の可動性のいいものがいい」(製薬・部長)、「顔うつりのいい、明るい色のスーツ」(団体・代表)、「ラインがくずれにくいものがいい」(外資不動産・マネジャー)など、求めるものはさまざまだが、「機能性」については、誰もがこだわりを持っている。
「ストレッチ素材」「自宅で洗える」「スマホや名刺入れなどを収納できる」など、実際にスーツを着用するからこそわかる、既存のスーツへのもの足りなさを吐露してくれた。
だからこそ、働く女性をターゲットにしたファッション誌が提案するビジネスファッションに違和感を抱く人は、37.5%(図表2)。

「本当に働いている女性の服装に見えない」(メーカー)、「カジュアルすぎる」(保険)、「異性の目を意識しすぎている」(IT)という、厳しい声がフリーアンサーで多く上げられた。
