大の苦手だった数学を「ビリギャル」ばりに克服
【中川】私は逆に数学が苦手で……。建築学部を目指したきっかけはTVの「大改造‼劇的ビフォーアフター」でした。あの番組が本当に好きで、父も建築関係の仕事というのもあって、もう建築学しかないと思っていたんですが、高校のとき、数学があまりにできなかったので、学校の先生には止められました(笑)。でも、そこから「ビリギャル」みたいに成績を上げていって数学を克服して、先生にも納得してもらいましたね。
【原田】数学って気合いを入れれば、できるようになるものですか?
【中川】さっき岡田さんも言っていたように、数学の場合、正解はひとつしかないので、国語の記述問題とかよりは何とかなるんじゃないかと思います。そこを乗り越えられたのは、今の学科で社会問題から建築を考えるということを学びたかったから。私が子どもの頃に中越地震や東日本大震災が起き、ボランティアをしたことなどから、ずっと災害と建築というテーマに興味がありました。
【熊坂】私は子どもの頃から体育会系というか新体操をしていて、高校までずっとそれしかしてこなかったんですが、いざ、部活を引退して進路選択となったとき、担任の先生に「将来の夢はある?」と聞かれて「ないです」と答えたら「じゃあ、文系だね」と……。
【原田】ちょっと待って。文系は夢を持っちゃいけないと……。
【熊坂】そう言われました(笑)。父が建築関連の仕事をしているので、建築を勉強したらという話になり、でも、もう文系に進んでしまっていたので、建築系の学科で文系科目でも受験できるところを探し、今の住空間デザイン学類というところを選びました。
「下町ロケット」の影響で…
【井関】私は横浜市立大学の大学院で医科学を研究しています。学部生のときは今と違う大学の創薬学科に通っていました。身近に精神疾患のある人がいたことがきっかけで、その治療に貢献できたらと思っていたのですが、そう言うと、周囲の人に「それなら医師になればいい」と言われることにちょっと反骨精神があったんです。もともとバイオロジーには興味があり、薬を開発することでもっと根本的に病気を解決できるのではと思って、今の道を選びました。
【原田】これまでの話を聞いていると、何か強烈な好きなものがあると、理系に進むきっかけになるのかなと。身近に病気の人がいたりお父さんの仕事だったり、周囲の人からの影響は大きいという感じがしますね。起業家になった人の親や親戚に経営者が多いのと同じようなことかもしれませんね。
【井島】私の場合はTVの影響も(笑)。小さい頃に母が半年間ほど入院していたことがきっかけで、ずっと医師になりたかったんですが、高校で文理選択をするときに、ドラマの「下町ロケット」を見たんです。あのドラマでは町工場が宇宙へ行くロケットの部品を作るだけでなく、その技術を応用して心臓の人工弁を作る。それで難病の子どもたちを救うという話で、そういう医療との関わり方もあるんだと……。
【原田】ドラマの影響というのは、文系でもよくありますね。でも、それが、女性が主役の「ナースのお仕事」ではなく、阿部寛さん主演でおじさんばかり出てくる「下町ロケット」というのはなぜなんだろう?
【井島】逆にちょっと反発心がありますね(笑)。ナース=女性の仕事と思われているようなことに。型にはめられたくないというか……。
【原田】なるほど。とくに若い人の中にステレオタイプを嫌がる傾向はありますからね。