家族がゴキゲンになれない要因を取り除いていく

自分と家族が常にゴキゲンで笑顔でいられることを優先すれば、家事・育児・介護でも優先順位が見えやすくなります。

たとえば我が家では、家事は徹底的に手を抜きます。家事に追われて疲弊するのはゴキゲンからは遠ざかるからです。

家事をいくらやっても1円にもなりません。

それに家事は生活を維持するために「当たり前」にやることですから、基本的に誰かに感謝されるような性格でもない。むろん家族に感謝の気持ちを忘れないという姿勢も殊勝ですが、毎日毎日、何年も何年ものことですから、いちいちそんな気持ちを持ち続けられないというのが正直なところだと思います。

だから「自分がやるからこそ意味がある」「自分がやってもいいと思える」こと以外は手抜きと外注です(むろん、「丁寧な暮らし」という価値観を否定はしませんが)。

ゆえにたとえば食事は「楽しい時間」にすることが最優先で、その確保のためには総菜やデリバリーも活用するなど、手料理にはこだわりません。

お弁当にコンビニのおにぎりを持たせることもある

育児も同様に、完璧を求めません。「親はこうしなきゃいけない」「親らしくこうあらねばならない」という発想を捨てる。

そして「親にしかできないことは何か?」「子が親に本当にしてほしいことは何か?」を想像し(あるいは子に直接尋ね)、そうでないことは手を抜くかやめるかします。

もちろんそれは人によって違うと思います。

たとえば私の場合は子どもがまだ小さいので、親である自分がやるべきことは「寝かしつけ」「歯磨きの仕上げ」「休日はちょっと遠出をして普段できない遊びにつきあうこと」「子どもが話しかけてきたら手を止め全集中して話を聞き、会話を楽しむこと」「抱きしめたり抱っこしたりすること」などだと考えています。

それ以外のこと、たとえば弁当は手作りにこだわらない。キャラ弁などは作ったことがないし、ほぼ冷凍食品の詰め合わせです。時間がないときはコンビニでおにぎりと菓子パンを持たせるときもあります。

むろん、手作り弁当やキャラ弁で親の愛情を感じる子なら、そうすればいいですが、ウチの子はそこは気にしないからです(一度凝った弁当を作ったことがありますが、「どうだった?」と聞いても反応なし……涙)。

自分が親の立場になってわかるのが、「あなたのためを思って」というセリフは、本当は子のためではなく自分のためであり、自分が安心したいだけということです。自分が望むように育ってほしいというエゴだなあと感じます。

リスクを考えて躊躇していては新しい挑戦はできない

私の例はともかく、富裕層は富裕層になる前から結婚と自分の経済状況や家事・育児・介護などの負担とは切り離して判断したのでしょう。

これは起業や新規事業への進出も同様で、リスクばかりを考えて躊躇していては新しい挑戦はできません。リスクや不安があるならそれらを想定し備えておけばいい、あるいは困難に遭遇したら都度最適な方法を探して解決すればいいという発想なのだと思います。

むろん結婚がすべてではありませんが、そういう戦略思考やリスクマネジメント能力が高いからこそ彼らは富裕層になった、というのは考えすぎでしょうか。

午堂 登紀雄(ごどう・ときお)
米国公認会計士

1971年岡山県生まれ。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、コンビニエンスストアチェーンを経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。IT・情報通信・流通業などの経営戦略立案および企業変革プロジェクトに従事。本業のかたわら不動産投資を開始、独立後に株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズ、株式会社エデュビジョンを設立し、不動産投資コンサルティング事業、ビジネスマッチング事業、教育事業などを手掛ける。現在は起業家、個人投資家、ビジネス書作家、講演家として活動している。著書に『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)、『決定版 年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人』(Gakken)、『「いい人」をやめれば人生はうまくいく』(日本実業出版社)、『お金の才能』『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)など。