基本構成とフレーズ例
①祝福の言葉
例)○○さん、○○さん(新郎新婦)、並びにご両家のご親族の皆様には心よりお祝いを申し上げます。
②自己紹介
フルネームで自己紹介を行い、新郎/新婦との関係を説明します。社外の方がいる場合には、15秒程度、簡単な事業の説明を入れると親切です。
例)ただいまご紹介にあずかりました、新郎/新婦の勤務先の上司にあたります◯◯と申します。僭越ではございますが、ご指名いただきましたので、お祝いの言葉を述べさせていただきます。
③エピソード
新郎/新婦の人柄や長所が伝わる仕事ぶりなどを盛り込んだ具体的なエピソードを紹介します。新郎/新婦をほめて、2人なら結婚生活がうまくいくという流れにします。エピソードは詳しい説明が必要なものや、専門的な話題は避けて一般的なものにしましょう。
例)新郎/新婦とは、彼/彼女が新入社員として5年前に私の部署に配属された時からの付き合いで……(ほめる)
・印象に残るエピソードアレンジのコツ
スピーチはストーリーに起伏があると場が盛り上がり印象にも残ります。
例えば、上司の場合、新郎/新婦の成長の過程を切り取り、軽い失敗談からはじまり成長を遂げて今では仕事を任せているという流れにします。ただ、失敗談は、ご本人に了解を得ておきましょう。
また単に、「明るい人」と言うよりも、前に反対表現を置いて、「一見、物静かそうですが、とても明るく場を盛り上げる人です」とギャップをつくることもできます。
・上司の祝辞 エピソード例
例1)「新郎○○君は、一見おっとりしていますが、とても頭の回転が速い人です」
例2)「○○さんは、何事も丁寧で、そのため新入社員当時は、資料作成を任せると締め切りに間に合わず、周囲が手伝うようなこともありました。しかし、人一倍の努力家で、今ではPC検定の資格を取得され、エクセルの達人として誰よりも早く、そして見やすい資料を作成してくれています。いつも、うちの部署を支えてくれてありがとう」
例3)「馬耳東風ということわざ、ご存じかと思います。新入社員の頃の○○君は、まさに馬耳東風、人の話を聞き流しているようなところがありました(笑)
ところがそんな○○君が、入社3年目に突然仕事に対する姿勢が変わりました。きっかけは、チームリーダーになったことです。この頃から上司やメンバーの話に真摯に耳を傾け、どんな難解な仕事からも逃げずにやり遂げるようになったのです。そうした周囲の意見を大切にする姿勢が評価され、今では大きなプロジェクトのリーダーを任せられるようになり、会社にとっても私にとっても無くてならない存在になっています。
きっと○○君なら、新婦の○○さんの話もしっかり受け止め、必ず幸せな家庭を築いてくれると信じています」
・同僚の祝辞、エピソード例
同僚の場合は、共に経験した仕事に関するエピソードを披露し、その中から新郎/新婦の長所につながる部分を紹介するといいでしょう。
例)「○○さんとは、同期として常に切磋琢磨してきました。実は、私は希望通りの部署に配属されずかなり落ち込んでいた時期がありました。そんな時、○○さんは、深夜まで愚痴に付き合ってくれました。おかげで気持ちの整理がついて配属先に飛び込むことができました。こんなふうに○○さんは、人の背中をさりげなく押してくれるところがあり、優しい上に頼りがいがあります」
・普段あまり接点がない場合 エピソード例
普段あまり接点がない人から祝辞を頼まれた場合には、事前に関係者等から情報収集をしておきましょう。そして「○○さんが○○と言っていた」と間接的にほめると喜ばれます。
例)「実は、山下課長から聞いた話なのですが、○○さんは、展示会の期間中、自主的に毎朝誰よりも早く会場入りして準備をしていたそうなんです。誰も見ていないところでもチームのために行動できる人だと感心しました」
④パートナーについて一言添える
相手側(新郎側のゲストであれば新婦、新婦側のゲストであれば新郎)を「素晴らしいパートナー」とほめる言葉を付け加えるとより良いでしょう。
例)「新郎は、学生時代サッカー部のキャプテンを務めたと伺っています。本日も当時のお仲間がたくさんご列席されていて慕われている様子が伝わってきます。素晴らしいパートナーに巡り合えましたね」