自己紹介の「話し方」
自己紹介は話し方によって印象はがらりと変わります。まず「特に何もありません」という言い方や、緊張して下を向いて「早く終わらせたい」ことが垣間見える消極的な行動は控えましょう。謙遜や照れ隠しのつもりでも「親しくなるつもりはない」「やる気がない」と誤解されてしまう場合もあるのでご注意ください。
・自己紹介は短い方が好かれる
「自己紹介は簡潔に」が原則です。つい話し始めると長くなりがちなので、あれもこれもと盛り込まず、1文を短く、エピソードは簡潔にして1分程度にまとめておくといいでしょう。
・大きめの声で、ゆっくりはきはき話す
聞き手を意識して、大きな声でゆっくりはきはきと話すこと。小さい声でぼそぼそ話すと、自信がなさそうに見えたり、不機嫌に見えたりしてマイナスの印象を与えます。また、緊張すると早口になってしまう人がいますが、落ち着いて話すように心掛けましょう。
・顔を上げて、明るい表情を意識する
緊張すると相手の顔を見られなくなるという場合もありますが、できるだけ顔を上げて表情を見せるようにします。そして相手の顔を順番に見ながら話すと、相手は自分に話してくれていると感じ好印象です。話に詰まったり、間違えたりしても気にすることはありません。顔を上げて明るい表情で話をすれば、間違えたとしても印象はよくなるものです。
オンラインや子どもの学校でも好印象を
・オンラインでの自己紹介
最近は、リモートで自己紹介をする場面も増えました。リモートの場合は、自己紹介のスライドを1枚用意して、経歴・実績と家族構成、趣味など人となりをまとめて、PCで共有しながら自己紹介をする方法もあります。
実績は言葉にすると嫌味になりがちですが、スライドに書いておいてそこはサラっと流すようにすれば自慢気になりません。またスライドを使った自己紹介では、プライベートの写真など画像を挿入して、人柄や意外性を上手に見せることもできます。
・子どもの学校での自己紹介
一方、子どもの学校での自己紹介は仕事モードから母親モードに切り変えて、子ども同士が仲良くなる手助けをしてあげるスタンスで話しましょう。
例えば、「まだ幼いところがありますがサッカーが大好きです。お近くの方がいたら、ぜひサッカー仲間になってください」など、子どもの性格や趣味を紹介して仲良くなってもらいたいと伝えます。
また家族構成もこうした場に適した話題です。「2人姉妹の長女で妹の面倒をよくみてくれています」「一人っ子でのんびりしています」など、兄弟や姉妹との関係性やどんな性格かなどエピソードを加えて話しましょう。
他にも「男子で学校からの手紙が手元に届かないことが多いので、ぜひ学校の情報を教えてください」など、学校生活での情報交換をするお仲間をつくりたいという気持ちを素直に伝えるのもいいですし、「ベランダ菜園をやっています」「ペットで猫を飼っています」など声をかけてもらいやすい話題を提供してもいいでしょう。
ただあくまで、主役は子どもです。優しく学校生活を見守るというスタンスでいれば浮いてしまうことはまずないでしょう。
何事も初めが肝心です。たかが自己紹介されど自己紹介。好印象が残る自己紹介で、出会いを大切に、新生活の好スタートを切って良い関係を築いていきましょう。
青山学院大学経営学部卒業。中部日本放送アナウンサーを経て、NHK衛星放送キャスターとして、株式市況、世界のトップニュースを10年担当。20年にわたり、スポーツ、経済、情報番組に関わる。アナウンサー名は瓶子和美。現在は、TV現場で培った技術を活かし、ビジネス現場でコミュニケーション力を発揮し、成果を出す人材を育成する研修、講座、講演を行っている他、経営層・管理職、エグゼクティブリーダー向けプレゼン・スピーチのパーソナルトレーニングやコンサルティングなどを実施している。著書に『心をつかみ思わず聴きたくなる話のつくり方』(日本能率協会マネジメントセンター)、『仕事ができる人の話し方』(青春出版社)があり台湾でも翻訳されている。ホームページ