普段から切り返しの言葉を増やしておく

話しかけてくる人に対して、無視するというのは、さすがに気が引けるものです。

戸田久実『「あとから怒りがわいてくる人」のための処方箋』(新星出版社)
戸田久実『「あとから怒りがわいてくる人」のための処方箋』(新星出版社)

同じ町内や同じマンションであったらなおさら、ご近所の人を無下にするわけにはいかないですよね。あまりかかわりたくないなら、挨拶程度はして、さっさと立ち去るのが得策です。立ち止まってじっくり話をする必要はありません。

相手から何か言われたときに、パッと言葉を切り返すのが苦手な人もいるでしょう。そういったタイプの人は、前述したように、事前に切り返しの言葉を考えて、増やしておくといいですね。

言われたことを思い出して怒りがわいてきたときには、「次に同じことを言われたら、こう切り返そう」というパターンを考えて、複数書き出しておきましょう。

子育てにまつわる切り返しの例

「ひとりっ子じゃかわいそうよ」→ひとりでも授かっただけで大満足なんです
「体が小さいけど大丈夫?」→よく動き、よく食べて、元気いっぱいなんですよ
「ママは家にいなきゃだめよ」→わが家は外に出ることに大賛成なんです
「嫌いなものも食べさせなきゃ」→まずは食べることに興味を持ってもらおうと思って
「昔はアレルギーなんてなかったわよ?」→そうみたいですね。いまは28品目もあるんですって

自分の「べき」で他人に干渉してくる人は、電車の中や道での通りすがりにもいるかもしれません。そういった人たちに対しては、「もうおつきあいのない人だ」と割り切って、聞き流すのがいいでしょう。困った人にいちいち気をとられて、悶々としてしまう時間のほうがもったいないのです。

まとめポイント
受け流せる言葉をたくさん用意しておきましょう
戸田 久実(とだ・くみ)
アドット・コミュニケーション代表

日本アンガーマネジメント協会理事。立教大学文学部卒業後、服部セイコー(現 セイコーホールディングス株式会社)にて営業、その後音楽業界企業にて社長秘書を経て2008年にアドット・コミュニケーションを設立。研修講師として民間企業、官公庁の研修・講演の講師の仕事を歴任する。著書に『アンガーマネジメント 怒らない伝え方』など。