個人投資家が絶対やってはいけないこと

むしろ個人投資家がやってはいけないのは、大きく下がった時に売ってしまうことです。

特に最近ではiDeCoやつみたてNISA等の制度を使って少しずつ長期に積立投資をしている投資家が増えてきています。彼らの多くはリーマンショック以降に投資を始めた人なので、このような下落局面に直面すると不安な気持ちになります。実際、リーマンショック時にも下落に恐れをなして売却し、そのまま預金で放置してしまった人もたくさんいます。

また、最近では一昨年、新型コロナウィルスの感染拡大によって短期間に3割以上下落したことで、慌てて売った人も多かったようです。人は誰でも行動経済学でいう「損失回避」の心理が強いので、そういう行動を取りがちですが、そこで売ってしまったことで、その後の戻り局面で利益を得ることができず、以後ずっと損失を取り戻せないまま、投資から去って行った人も多いのです。したがって、長期で積み立てをしている投資家にとっては、たとえ下落した局面があってもやめずに続けることが大事なのです。

市場は着実に拡大・上昇を続ける

なぜなら、戦争以外でも過去に幾多の暴落はありましたが、長期的な視点で見れば、それを乗り越えて市場は着実に拡大・上昇を続けているからです。これは資本主義の本質が自己増殖するシステムであるからに他なりません。

「資本主義が自己増殖する」というのは一体どういうことかを簡単に言うと、企業が事業活動で得た利益を金利や配当を支払った後に、新たな事業に再投資し、資本が拡大していくことを指します。これはまさに、投資における複利の考え方と同じです。

こうやって事業は拡大していきます。これが「資本主義が本質的には自己増殖するシステム」という意味なのです。したがって、利益を求める人類の経済活動が続く限り、市場は成長し、投資を続けていけば報われることになるのです。