比較検討しない人に貧乏神が住みつく

また、節約家のお金持ちは家電選びにもこだわっています。使わないときにはコンセントを抜いて、電気代の節約をするのは過去の話です。最近は節電タイプの家電が増えていますので、古い家電を買い替えるだけで大幅な電気代の節約が可能になっています。

もちろん、家電の買い替えにはお金がかかりますが、電気代の節約分を考慮して「何年でペイできる」と考えています。しかも、性能がよくなるのですから、積極的に買い替えをします。

家電に限りませんが、お金持ちは徹底的に比較して、お金を有効に使おうとします。それは100円の商品でも同じです。逆に比較をしない人には貧乏神が取りついて、無駄な出費が増えてお金が貯まりません。

固定費の節約は、生活のレベルを落とす必要がないのが特徴です。だからこそ、家族に不満も貯まらず、継続して効果が得られるのです。旅行や外食を楽しみながら、しっかりとお金も貯まっていくのです。

教育費もいまや節約の聖域ではなくなった

教育費も固定費の一つですが、以前は節約の対象になっていませんでした。それが変わったのは2008年のリーマンショックです。それ以降は聖域ではなくなりました。それは家計調査年報にも表れています。

2005年以降の教育費の年間支出を見ると、リーマンショック直後の2009年までは上昇しています。それが2010年にガクンと落ち込み、それ以降は一段低い金額が続いています。この教育費は授業料など学校に支払う金額に、学習参考書や予備校費用などを加えた教育費の総額です。

リーマンショック前後の教育費の推移
※総務省「家計調査年報(2人以上世帯)」(2020年)を基に編集部作成

選択肢が増えたことも影響しているかもしれません。最近は予備校でも家にいながらオンラインで授業を受けたり、録画を見たりしながら学べるところも増えて、高額な授業料を支払わなくても学べる機会が増えています。

また、学校自体もオンラインで学べる通信制のN高、S高などが登場しています。以前はできるだけレベルの高い学校に進学することが目標になっていましたが、最近は「最終的にどんな成果を得たいのか」を考えて、いろいろ試しながら学ぶ方法を選択できるようになっています。