「また親が来た!」家族介入型モンスターは職場の大迷惑
これは、会社の問題に親が出てくる、若手に多いケースです。
「うちの子は残業が多いんじゃないですか」「うちの子の評価はどうなっているんですか」など、クレームの内容はさまざまですが、通常は「家族にはお話しできないこともありますので、本人と話をします。本人から話を聞いてください」と対応しています。
家族の介入を禁じる法律や就業規則はありませんが、本人が「親が来るのを止められなかった」時点で、会社としては「仕事のできない社員」だと判断せざるを得ません。あまりにも親が何度も来て業務に支障をきたすようであれば、人事が注意を促し、場合によっては退職勧奨することもあります。
また、家族を理由に仕事をしない社員もいます。「妻が早く帰ってこいと言っているので残業はできません」「家族が出張しちゃいけないと言っています」といって上司の指示に従わないタイプのモンスター社員です。
上司には自らの職位・職能に応じて権限を発揮し、業務上の指揮監督や教育指導を行う権利と義務があります。業務の適正な範囲で指示された残業や出張を拒むことは、就業規則に違反する行為です。節度を持った理由ならともかく、家族を理由に仕事しないことが常態化している社員には「あなたは会社の指示に従いませんでしたね」と言って「服務規律違反」で懲戒処分をすることもあり得ます。
「老害」とは、ひたすら「逃げ切り」を狙っている社員
「老害社員」も困った社員の一つです。
「人事は『老害社員』と『経験値が高い社員』をどのように判断しているのか」ここでは、そんなテーマについて掘り下げたいと思います。
中高年の会社員の処遇は、日本企業が直面している大きな問題のひとつです。私自身も、さまざまな会社から以下のような相談を受けることが増えてきました。
「仕事をしない年上の部下に困っています。注意しても聞いてくれないし、行動も変わらない。何を言っても響かないので、言うだけ無駄。暖簾に腕押し、馬の耳に念仏なので疲れました。50代半ばを過ぎたら、定年まであとわずか。ひたすら逃げ切りを待っているだけです。こういう社員にはどう接したらいいのでしょうか?」
2019年11月、朝日新聞に掲載された「朝の妖精さん知ってますか」という記事も大きな反響を呼びました。妖精さんといっても、みんなから愛される可愛らしい存在ではありません。朝はきっちり出社するけれど、いつの間にか姿が見えなくなっている。こうした定年間近のシニア社員を揶揄して呼んだもの。要は「働かない中高年」です。
これ以上頑張っても、もう出世はしないし、頑張ったところでさして変わりない。毎月給料をもらって、とにかく逃げ切って、まあまあ平和に暮らしていければいい。私はこうした、ひたすら「逃げ切り」を狙っている中高年の社員が、まさに「老害」だと考えています。