いつの時代も「困った社員」はいるもの。しかし、そんな社員を野放しにできるほど余裕のある会社はそうそうありません。人事は「痛い社員」をどうやって封じるのでしょうか。人事コンサルタントの西尾太さんが解説してくれます――。

※本稿は、西尾太『人事はあなたのココを見ている!』(アルファポリス)の一部を再編集したものです。

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優秀な社員が次々に退社……、モンスター社員に気をつけろ!

会社に不利益を与える社員=「モンスター社員」が、多くの会社で問題になっています。私たち人事の間では「困った人」「困ったちゃん」などと呼ばれているのですが、ここではこうした困った社員の代表的なタイプをまとめてみました。

問題のある社員には、どう接したらいいのか、また気づかないうちに自分もそうなっていないか、あなたもチェックしてみてください。

合意のうえでも大問題! 社内恋愛型モンスター

恋愛は自由です。プライベートな問題に会社は口を出すことはできません。それでも「ええ加減にせえや!」と言いたくなるのが社内恋愛型モンスターです。これは社内の複数の人と関係を持ってしまう社員のこと。社内での優位な立場を利用して個人的関係を強要する、デートに誘うといった行為は、相手が不快に感じればセクハラに当たります。

本人が訴えてきた場合は、会社も然るべき対処を取ることができますが、合意のうえで関係が成立している場合は、なかなかセクハラにはできません。

ある会社では、優秀な女性が突然会社を辞めてしまったり、異動を申し出る女性社員が続出し、ある男性社員がその原因であることが判明しました。

要は、その男性社員が社内で複数の女性と関係を持っていたのです。この男性には妻子がいたので、関係を持った女性社員の一人がセクハラだと訴えたことで事態が発覚。懲戒処分と転勤させるといった対応をして、結局は退職になりました。

たとえ不倫であっても、本人が訴えてこない限り会社がとやかく言うことはできませんが、関係が破綻するとセクハラとして訴えられる場合があります。

不倫相手の夫や妻が会社に怒鳴りこんでくることもあり、こうした場合は「会社に迷惑をかけた」ということで一定の懲戒処分を行います。社内恋愛は個人の自由ですが、やはり節度を持って行うことが必要でしょう。

また、社内恋愛や不倫は周囲に知られていないと考えているのは本人たちだけで、周囲はだいたい知っているものです。

それが業務に悪影響を与えるようであれば、人事としてはしかるべき対応をします。