「断る理由」は何でもいい
ファーストステップで感謝を述べつつ、いよいよ断るわけですが、ステップ2では、断る理由と「お力になれなくてごめんなさい」という謝罪を伝えます。できないと断るからには、理由が必要です。でも実は、この理由は何でもOK。
平日の残業を断るときは「今夜、荷物が届くから早く帰らないといけないんです」「子どもを病院に連れて行かなきゃいけないので」「ペットの調子が朝から悪そうなのが気になって」……、子どもとペットは最強の言い訳です。
休日出勤なら「友だちの引っ越しを手伝うことになっているんです」「実家の親の様子を見に行かなきゃいけなくて」などでも。事実でなくてもいいんです。断るときは、嘘もコミュニケーションのひとつと割り切ってほしいですね。
理由をストックしておく
ただ、その場であわてて考えると、いかにも見え透いた嘘になってしまうので、相手が「それなら仕方ないか」と思うような理由をふだんからストックしておくこと。そうすれば、いざというときにパッと出せます。
どうしても何も思いつかないとき、せっかくストックしても忘れてしまったときは「今日は先約があるのでできません」「今週末は用事があって」と、ぼかしても全然かまいません。何でもいいので理由が示せればいい。あとは、「やりたいけれど、やれなくてごめんなさい」という切り口で対応すれば、角が立ちません。
とはいえ、このまま「ごめんなさい」で終わると、相手からすると「断られたな」という、ややネガティブな雰囲気のままになってしまうので、最後の3ステップ目で「声をかけていただいてありがとうございます」と、もう一度、感謝を伝えたうえで「また余裕があるときには、やらせていただきます」と“匂わせて”終わる。そうすると相手が「まあ仕方ないか」と思える範囲におさまるはずです。
わざわざ感謝まで伝えるこのやり方は、かなり丁寧ですから、上司に無茶振りされたときにも有効です。ぜひ実践してみてください。