お金持ちがiDeCoやNISAを検討し始めている

以前は忙しくて時間がなかったために、勧誘の電話があっても聞く耳を持たなかったのですが、いまは時間があるので真剣に考えるようになっているのです。

当社に相談にやってくるお金持ちの中にも、「iDeCoやNISAはやっぱり始めた方がいいか」と相談する人が増えてきました。億単位の現預金があるお金持ちにとってはiDeCoもNISAもそれほど大きな効果はありませんが、「やらないよりやったほうがいいのではないか」と考えて始めています。

投資は少ない金額で始めて危機を体験するのも大事

少ない金額でも投資をすると勉強になります。株式などを保有していると、ときどき危機が起きて、相場が大きく下がるときがあります。そのときには嫌な思いをしても、慌てて売却せずに保有していれば、いずれ価格は元に戻ります。

今回のコロナショックでもそうでした。たとえば日経平均株価は、2020年の2月後半から3月にかけて約30%下落しましたが、11月には元の水準に回復しています。時間がたてば価格が戻る経験をするのは有効でしょう。

これはお金持ちに限りませんが、下がったときのつらい思いは勉強代だと割り切れる金額で投資を試してみるといいでしょう。一度、危機を経験すれば、次に危機が訪れたときに慌てずにすみます。

時間に余裕ができたときに何をするか。体づくりや投資など、結果に結びつくことを見極めて挑戦するのがお金持ちの習慣の一つなのです。

藤川 太(ふじかわ・ふとし)
ファイナンシャルプランナー

生活デザイン代表取締役社長。自動車会社で燃料電池自動車の研究に携わった後、FPに転身。家計の個人相談の普及を目指して2001年に設立した「家計の見直し相談センター」では、すでに3万世帯を超える家計診断を行っている。家計管理、生命保険、資産運用など幅広い分野に精通。『やっぱりサラリーマンは2度破産する』など著書多数。 生活デザイン株式会社 オフィシャルサイト