みんなの職場の「疑問に感じるマナー」

実際に体験した疑問に思うマナーには「どんなときでもネクタイを必ず着用しなければならないこと」(商社・49歳)というものから、「オンラインミーティングで、画面上の上座・下座を気にする」(IT・37歳)といった、このご時世だからこそ目立つ意見も。また「メールの際の丁寧すぎる冒頭文」(営業・41歳)などが挙がった。

なかでもダントツで多かったのは「下位者のハンコは上位者のハンコに対し、お辞儀をするように左に傾けて押す」(金融・35歳)というもの。このマナーはどうやら主に金融系の企業内で、書類に押印するときに一部で行われているようで、これについてさらにアンケートを取ってみると、反対が64.9%で、「正直やりすぎだと思う」(メーカー・52歳)、「事務作業になってしまっているマナーには意味がない」(出版・44歳)という意見が見られた。賛成派はいたものの、わずか2%にとどまった(図表3)。

金融系企業に存在するという、ずらりと承認ハンコが並ぶ書類「下位者のハンコは、上位の人にお辞儀をするよう左に傾けて押す」というマナーをどう思いますか?
金融系企業に存在するという、ずらりと承認ハンコが並ぶ書類「下位者のハンコは、上位の人にお辞儀をするよう左に傾けて押す」というマナーをどう思いますか?

実際に自身の職場で行われているマナーだとしても疑問を持っている人はいるらしく「皆がやっているので合わせているけれど……はっきり言って意味不明」(金融・29歳)、「習慣として続いてしまったが、なくてもいいと思う。管理職である自分自身も、ハンコの角度はとくに気にしないし、マナーとは違うと感じる」(金融・47歳)という当事者の意見も印象的だ。