3. お金持ちになりたければ複利で増やす

【ライターS】先生、私はぶっちゃけ、お金持ちになりたいのです。一獲千金を夢見て、年末ジャンボを毎年、よく当たる宝くじ売り場で買っています。

【横山】宝くじの還元率は46%しかないのに……。「この売り場から高額当選が出たから買う」というのも意味なし。1枚の当たる確率はどこで買っても同じだから。

【ライターS】夢ぐらい見させて……。

【横山】くじは期待値で計算できます。期待値とは、あることを試したとき、その結果として得られる数値の平均値のこと。くじなら還元率もセットですね。

【ライターS】いくら私でも、くじやギャンブルでお金持ちになれないことはわかっていますよ。「期待する」ことの数値化って、できるものなんですか?

【横山】はい。でも、期待値は必ずマイナスです。例えば、図は20人に1人1万円が当たり、20人に3人が4000円当たるくじで、1回2000円の参加料を払う問題です。

【ライターS】これは、参加料を払うのがポイントですよね。答えは期待値1100円、還元率55%ですか。くじ運のない私は当選者の4人の中に入れないと思う……。

【横山】ビジネスにあてはめると、2000円は投資額、1100円はリターン。実際はくじのように単純に数値化できないので、経営者は数値を予測して行動するしかないです。

【ライターS】なるほど。文系の私には確率的思考が欠けておりました。確かにジャンボ宝くじは1枚300円というリスクが見えているので大損は避けられますね。

【横山】お金持ちになりたければコツコツ複利が確実です!

【ライターS】図の計算では、元本の100万円を年10%で複利運用すると、7年間で約195万円と倍になっています。でも、年10%の利息は高すぎませんか?

【横山】預金でなくとも年10%ずつ昇給すれば、7年で倍になりますよ(笑)。複利計算は元本を増やせば、そこにつく利息も増えるという考えを理解してほしいです。

【ライターS】給料を年10%ずつ増やすのはムリだけど、超楽観文系的思考で、自分の能力を10%ずつスキルアップさせることはできるかもしれない。

【横山】そこは期待してます!

期待値と複利を理解しよう