ひきこもる男性、活動的になる女性

図表1と同じデータから、男性では離婚を経験した3年後でも、趣味・教養活動(囲碁、料理、旅行等)や地域行事(町内会の催し等)への参加割合が離婚前の水準に戻らないことがわかっています。

また、図表2にあるとおり、男性では離婚後にスポーツ・健康活動(ウオーキング・球技等)への参加割合が低下する傾向にあります。

離婚前後におけるスポーツ・健康活動(ウオーキング・球技等)の実施割合の推移

離婚後、男性は孤立を深め、健康への配慮も行き届きにくくなるという実態がありそうです。疫学の研究から、社会とのつながりが希薄になるほど、健康度が低下し、寿命が短くなることがわかっていますが(※3)、熟年離婚後の男性はその状況に近いと言えるでしょう。

さて、女性の場合ですが図表2にあるとおり、離婚2年後以降になると離婚前よりもスポーツ・健康活動に参加する傾向が見られます。趣味・教養活動や地域行事への参加についても、離婚3年後になると離婚前の水準近くまで改善していきます。

女性の場合、離婚直後から前を向き、社会との関わりあいや健康維持の活動を活発化させると言えるでしょう。

このような男女の行動の違いが離婚後のメンタルヘルスの変化の背景にあると考えられます。

※3 Holt-Lunstad J, Smith TB, Layton JB (2010) Social Relationships and Mortality Risk: A Meta-analytic Review. PLoS Med 7(7): e1000316.