共同キャンパスがもたらす横のつながり

共同キャンパスは、同じエリア内の大学によって構成する。学生は、入学した大学にかかわらず共同キャンパスに通学するのだ。共同キャンパスの敷地面積にもよるが、例えば1~2年生が共同キャンパス、3~4年生はそれぞれの大学の既存キャンパスに通学するといった形もあり得るだろう。

共同キャンパスでの授業はそれぞれの大学ごとに行うものもあれば、共通授業として行うものがあってもよい。各大学のクラブやサークルの拠点を共同キャンパス内に置けば、1~2年生と3~4年生の交流も図れる。他大学との交流戦や文化コンクールなどの連携も実現しやすくなる。

コロナ禍でオンライン授業が急速に普及したが、遠方の大学に進学した人もこのキャンパスを拠点として授業が受けられるようにすればよい。名古屋市出身で東北の大学に合格した人が、自宅から名古屋市内の共同キャンパスに通って自分の属する東北の大学の授業を受け、サークル活動は名古屋の共同キャンパスにある他大学に所属して行うという使い方だ(遠距離の大学同士のインカレである)。仮に共同キャンパスの利用料を負担したとしても、下宿費用を負担しなくて済むことを考えれば割安であろう。

大学の垣根を超えて連携可能に

このように、共同キャンパスを自由な発想で活用したならば、学生たちは入学した大学にとらわれることなく友人ができる。大学を超えた教員の共同研究拠点ともなる。大学経営を考えても、受験生の人気が高まり募集がしやすくなるだろう。学食や書店なども各大学が共同で施設運営や事務システムの一元化を図ればコスト削減ともなるし、大学間の連携や提携もしやすくなる。