業務スーパーとワークマンの共通点
こんにちは、桶谷功です。今回はスーパーマーケットの「業務スーパー」と、作業服の「ワークマン」について、マーケティングの観点から解説します。
「業務スーパー」と「ワークマン」。どちらも今、大人気ですね。
業務スーパーを運営する神戸物産は、2021年10月期の業績予想を発表。連結純利益は前期比33%増の200億円。最高益を更新する見込みです。
ワークマンも2021年3月期の営業総収入は、前年比14.6%増の1051億円、純利益は27.5%増の170億円と、いずれも過去最高を記録しています。
このようにいま絶好調の2社ですが、ここにはある共通点があります。それが何か、わかりますか?
そう。どちらも、プロ向けであるところです。
業務スーパーは「プロの品質とプロの価格」と謳っている通り、個人で飲食店を営んでいる人たちも仕入れに来るところ。だから普通のスーパーで売っている食材よりも、1パックの量が多い。でも、そのぶん割安です。
ワークマンは、建設現場や工事現場で働く人たちの作業服や安全靴のお店です。しかし近年はそれだけにとどまらず、「ワークマンプラス」「#ワークマン女子」など、一般向けにも進出し、成功を収めている。
「中身重視」をブランドにまで高めた
マーケティングの観点からいうと、両者の共通点は、「中身重視」の姿勢をブランドにまで高めたところにあります。たとえば「業務スーパー」は一般名称のように聞こえますが、店名を聞いただけで「プロの料理人が仕入れに来るんだから、いいものが安く売られているんだろうな」という連想がすぐにはたらく。そのブランドネーム自体に、バリューが内包されているといえます。
ワークマンもそうですね。「肉体労働に従事する人たちが愛用するものだから、丈夫で長持ちする衣類が安く売られているに違いない」という連想がはたらく。そのあたり、中身重視と言いながら、うまくブランド名を使って価値を高めています。