老後資金で頼りになるのが公的年金。コラムニストの大江英樹さんは、「年金を自力で増やすのは難しいと考えている人が多いのですが、実は工夫次第で大幅に増やすことができます」と話します。年金アップの4つの方法とは――。
机の上に年金手帳
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

公的年金は努力で増やせる

20歳以上60歳未満の日本人であれば誰もが国の年金制度、すなわち「公的年金」に加入しています。自営業やフリーランスの人であれば国民年金、会社勤めや公務員の人であれば「厚生年金」に原則全員が加入しているのです。ところが、この公的年金はあらかじめ決められた金額しか支給されないとか、自分の努力で増やすことは難しいと考えている人は意外に多いようです。実際、世の中で出回っている記事を見てもそのように語っているファイナンシャル・プランナーの人なども見受けます。

でもこれは大きな間違いで、やり方次第では自分で公的年金を増やすことは十分に可能です。今回は、会社に勤める人がどうすれば将来受け取る年金を増やすことができるかという具体的な方法についてお話したいと思います。方法は4つあります。

年金を増やす方法1.収入を上げる

会社に勤める人が加入しているのは厚生年金という制度です。厚生年金には「定額部分」と「報酬比例部分」がありますが、定額部分は文字通り、金額は決まっていて加入していた月数に比例するだけですから収入が多い少ないは関係ありません。

ところが報酬比例部分は、名前の通りその人の給料の多いか少ないかによって将来の支給額は変わってきます。具体的な支給額の計算方法は日本年金機構のホームページに載っています(※1)。給料に比例して増えるのであれば、当然仕事を頑張って昇給すればその分、将来の年金支給額も多くなるわけです(ただし、上限はあります)。

さらに早くから昇給している方が当然、金額は増えるでしょう。このようにして給料の多いか少ないかは現役時代の暮らしだけではなく、老後の暮らしにも影響を与えることになるのです。したがって、やはり頑張って給料を上げることはとても重要なことですね。

※1 報酬比例部分の計算(日本年金機構のホームページ)