勝者が毎日入れ替わる熾烈な戦い
商機と勝機が乱立するこのウィズ・コロナ時代では、大量の勝者が生み出される。さらにいうと、今日の勝者と明日の勝者がどんどん入れ替わっていく。今日はAさんが勝者だったのに、明日はBさんが勝者になっているという熾烈な戦いになるはずだ。
これは企画や計画を机上でじっくり練ったうえでの勝負というよりは、気づきを素早く行動に移すことによる勝負である。しかも現代は、オンラインで呼びかけて人材を集められるなど、事業に必要なツールを簡単に手にできる時代だ。
つまり、誰もが勝機をつかむ可能性を持っている、ということである。商機と勝機を目の前にしながら、動かないでいることは非常にもったいない。あなたには、この商機と勝機の波に乗ってほしい、と切に願っている。
「動かない」という思考を捨てる
最後に、「新型コロナウイルスとは何だったのか?」と投げかけたい。
数年先か数十年先に「今」を振り返った時、僕らはこの2020年を「辛かった時代」「大変だった時期」という印象よりも、「時代が大きく前に進んだ瞬間」と総括するかもしれない。
では、「時代が大きく前に進んだ瞬間」に生きる僕らは、どう生きればよいのだろう?
僕は、
「時代が進んだ以上に進まないと遅れる」
「思い切って進んでようやくトントン」
「留まっていたらたちまち遅れる!」
──そんなことを思っている。
当然これは、僕自身にも当てはまる。「動け」と伝えている僕が、大して動いていないようでは説得力がない。だから僕自身、これまでにも増して、「動く」ことに重きを置くようにしている。
あなたは、どうだろうか? 平時でも動かないできた人たちからは、「この逆境に、どうやって動けというのだ」と、100も200も反論の声が聞こえてきそうだ。そう思ってしまう気持ちもわからないではない。しかしながら、数年後、「後悔」するのは動いたほうだろうか? 動かなかったほうだろうか? そう考えるとおのずと答えは見えるように思う。
1992年ミスミ(現ミスミグループ本社)入社、新規事業開発に従事。2002年に新規事業の専門会社エムアウトをミスミ創業者の田口弘氏と創業、複数事業の立ち上げおよび売却を実施。2010年守屋実事務所を設立。新規事業創出の専門家として活動。ラクスル、ケアプロの立ち上げに参画、副社長を務めた後、博報堂、サウンドファン、ブティックス、SEEDATA、AuB、みらい創造機構、ミーミル、トラス、JCC、テックフィード、キャディ、プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会、JAXA、セルム、FVC、日本農業、JR東日本スタートアップ、ガラパゴス等の取締役などに加え、内閣府有識者委員、山東省人工知能高档顧問を歴任。2018年にブティックス、ラクスルを、2カ月連続で上場に導く。著書に『起業は意志が10割』(講談社)『新しい一歩を踏み出そう!』(ダイヤモンド社)がある。