※本稿は、守屋実『起業は意志が10割』(講談社)の一部を再編集したものです。
商機と勝機の大量発生
新型コロナウイルス感染症の蔓延で、全世界全世代同時多発的に「不」が起きた。「不」というのは、不便であり不足であり、不利益であり……すべてにおけるマイナスの圧力のことを意味する。こんな事態は、そうあることではない。今の時代に生まれ、「なんて運が悪いんだ!」と嘆く人もいるかもしれないが、僕はそうは思わない。
僕はむしろ、今、商機と勝機が大量発生する時代が到来したと考えている。そして、ウィズ・コロナの時代においては、誰もが商機と勝機の波に乗る可能性を持っている。
多くの人が今起きている状況について、「どうしよう」「大変だ!」と騒ぎ立てて傍観者になってしまっている。しかし、その立場で居続ければ、「勝つ」ことはできない。いや、それどころか現状維持もままならず、ある人はジリジリと、そしてある人は急激に没落への道をたどることになる。
あらゆる人が「不」を経験すると同時に、あらゆる人が解決の可能性を握るキーパーソンとなりえるのがウィズ・コロナの時代だ。誰よりも早く「不」に気づき、その解決に挑むアイデアを出し、そして実行に移す。そんな「意志あるスピード」がものをいう。
語弊を恐れずにいうならば、むしろ今は「チャンスの時代」だといえるのだ。
窮地で思考停止してはならない
では、具体的に見えやすい「不」を抱えた業界には、どういったところがあるだろう。
たとえば、外食産業の窮地は続いている。一斉休業の時期よりはマシな状態になったかもしれないが、気軽に外で食事をする人は明らかに減った。飲食業界の中には、いつ晴れるかわからない暗い状況に苦しい思いをしている方々が少なくない。
しかし、そこで思考停止してはいけない。
「不」が生まれたということは、必ずそこに商機と勝機が発生する。つまり、新規事業が求められるようになるのだ。