遠隔コミュニケーションのリテラシーが低い
【中田】うちの会社でもリモートワークを推進中ですが、新たな課題になっているのが遠隔のコミュニケーションに対するリテラシーの低さ。これはおじさんだけでなく若い世代も含めてですが、今まではフェイス・トゥ・フェイスで会話するのが当たり前だったから、メールやチャットで効率的にコミュニケーションする方法がわからないんです。メールも一言で簡潔に済ませればいいのにダラダラと長文を書いたり、部下も上司に気を使ってなかなかチャットで話しかけられなかったり。
【白河】「小職」とかから始まる長いメールを書いちゃいそうですね。フリーアドレスのオフィスも増えていますが、こちらはうまく活用されていますか。
フリーアドレスにしても固定席にこもり続ける人
【中田】ダメですね。フリーアドレスを導入しても、結局は固定の席に座っています。
【根本】うちもフリーアドレスですが、おじさんたちはいつも同じ席に座っていますね。しかも、周囲の人とコミュニケーションしやすいオープンアドレスではなく、区切られた集中スペースに一人で引きこもっちゃう。
【伊藤】フリーアドレスをうまくチームの活性化につなげているところもありますよ。ある部門ではトップの提案で、「今日は血液型で分かれて座ってみようか」といったお遊び的な要素を入れているそうです。それで、「えっ、あなたB型だったの?」といった会話で盛り上がったりして。そのチームは上手に席をシャッフルしていますね。ただ一方で、「フリーアドレスなんてとんでもない」という頭の固いおじさんがトップの部門もあって、そのフロアだけ治外法権みたいに皆が固定のデスクに座っています。
【白河】治外法権……おじさんにとって、「フリーアドレス=自分の居場所を奪われる」という感覚なので、恐怖心や喪失感が大きい。そこは丁寧に導入の目的を説明してあげるなどのケアが必要かもしれません。