平凡すぎる日常にドラマとロマンを見つける能力が武器となる
外出しないのだから、ファッションにカネを出す人が減った。日本のアパレルは1990年代から売り上げが下降し2019年には半減した。そこにコロナ危機である。
「しまむら」の製品は、部屋着が主で「巣ごもり消費」に対応しているから売り上げが好調であるが、外出着系アパレル企業は軒並み苦しい。
病院でさえ、緊急度の低い入院は減り、2020年9月末段階で白内障やポリープ手術は二割減である。テーマパークや遊園地系も不振だ。ディズニーランドは、日米ともにリストラを断行せざるを得なくなった。
外出はしなくても済むものとわかってしまうと、外出制限が解除されても、人は外出しなくなる。旅行にも行かなくなる。パンデミックに世界的恐慌に戦争の危機となると、特に外国旅行は躊躇する。未来の困難さが予測されれば、なおさらカネの使用には慎重になる。
ということで、厳しい近未来の日々においては、全くドラマチックでもなくロマンチックでもない日常生活のなかに、ドラマとロマンを見つける能力が武器となる。
食糧難に備えて小食を習慣にしよう
食糧危機に備えておこう。場所とカネに余裕があれば備蓄だ。小食を習慣にすることだ。自分で食料を生産してみるのもいい。
女優の浅丘ルリ子さんは生来小食なので、第二次世界大戦中の食糧不足の時代でも苦になったことはないそうだ。小食だから美しいのだろうか。羨ましい。
病気のかなりは過食が原因であり、小食が健康にもいいし霊的にもいいと主張する書籍は少なくない。古典的なものには、イタリアの貴族ルイジ・コルナロ(Luigi Cornaro,1464~1566)の『無病法―極小食の威力』(中倉玄喜訳、PHP研究所、2012)がある。食を節することが健康と長寿を楽しむコツであると書いてある。
日本でも、江戸時代の観相家の水野南北(1760~1834)は、運が良くなりたいのならば粗食をするべしと唱えた。若井朝彦の『江戸時代の小食主義―水野南北『修身録』を読み解く』(花伝社、2018)を読んでください。
健康寿命を延ばす確実な方法
TIME誌「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたハーバード大学医学部の遺伝学の世界的権威デビッド・A・シンクレア(David A. Sinclair, 1969~)と、ジャーナリズム学専攻のユタ州立大学准教授マシュー・D・ラプラント(Matthew D. LaPlante, 生年不明)の共著『LIFESPAN―老いなき世界』(梶山あゆみ訳、東洋経済新報社、2020)も、小食を勧めている。この本は日本でもベストセラーになったが、第四章の「あなたの長寿遺伝子を今すぐ働かせる方法」において、健康寿命を延ばす確実な方法として、食事の量や回数を減らすことによる長期のカロリー制限が推奨されている。
私のような食欲だけは無駄に旺盛な人間にとっては、小食にするのは非常に難しい。とはいえ私は諦めていない。過食は確かにろくなことがない。