考え方を変える、簡単な方法2つ

ここでさっき考えた、自分がストレスになるWhyが生きてくるのよ。

さて、今回のケースのWhyを振り返ってみると、「自分が嫌われたんじゃないか、相手を怒らせたんじゃないかと思って不安になっている」だったわよね。

精神科医Tomy『自分をもっと好きになる「自己肯定感」の育て方』(マガジンハウス)
精神科医Tomy『自分をもっと好きになる「自己肯定感」の育て方』(マガジンハウス)

その根っこにあるのが、その前に送った冗談だとか、立て続けにメッセージ送ったことだとか、スタンプを押したことが相手を不機嫌にさせたかもしれないという気持ちでした。

まず考え方を変えることから見ていきましょう。これにはさまざまなテクニックがあるんだけど、まず簡単な方法は、

・立場の変換
・一般化

です。まず立場の変換から見ていきましょう。これは簡単にいえば、アナタがもし逆の立場だったらどう思うかを想像してみるのね。たとえば、アナタだったら、冗談で怒ることはないだろうし、スタンプで相手を悪く思うことはないでしょう。

メッセージを立て続けに送ることは時と場合によっては「ちょっとうっとうしいな」と思うことはあるけれど、腹までは立てないわね。

そうすると、まあメッセージを立て続けに送ることは控えるとしても、そこまで気にすることもないのかなとちょっと思えます。また、こちらがLINEを送ったときは昼間で、相手は会社員。休み時間に内容だけ確認して既読はつけても、すぐには返せないはず。

このように逆の立場で考えてみると少し冷静になることができるでしょうし、ちょっとした問題点も見えてくる(ここでいうとメッセージを立て続けに送ること)。

考えを自分だけで完結させない「一般化」

では次の一般化について考えてみましょう。これは自分の考え方を一般的なものにする。具体的にいえば、誰かに「自分の考え方はどうかな?」と聞いてみるということです。本当は「一般的にどうか」ということがわかればいいけれど、いちいちデータをとるわけにもいかないので、身近な人、しかもわりと冷静で参考になる考え方の持ち主だなと思う人に聞いてみることよ。この場合、相手によっても意見が違うでしょうから、何人かこういうことが聞ける人がいたほうがいいと思うわね。

この場合、コミュケーション上手な友人に聞いてみたところ、

・メッセージを立て続けに送ったとしても、これぐらいで怒る人はいない
・あとはまったく問題ない

と言ってくれたので、ちょっと安心できたわけなのよ。あと一般化には「他人に聞く」以外にも自分の経験の中で一般化する方法があるのね。これ結構大切なポイントです。

何をするかというと、今まで、アナタの友人でこれぐらいのやりとりで腹を立てて連絡取れなくなった人はいますか? と自分に問いかけるの。

Tomy(とみー)
精神科医

1978年生まれ。名古屋大学医学部卒業。医師免許取得後、名古屋大学精神科医局入局。精神保険指定医、日本精神神経学会専門医。39万フォロワー突破のX(旧・Twitter)が人気。『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)、『内向的な人の幸福戦略』(朝日新聞出版)ほか著書多数。