意外と出社したがる若者たち

今はリモートワークを導入している企業も多いと思いますが、在宅勤務を歓迎しているのはどちらかというと昭和世代のほうで、若者はむしろ出社したがっていると聞きます。当社でも、僕はずっと在宅勤務したいぐらいなのに、若手たちの意見は「週3ぐらいは出社したい」「リアルで会いたい」。

だからと言って、僕ら上司と仲を深めたいわけでもなさそうなので、リアルで会うことが「つながり」だと思っているのかもしれません。一見、新世代に歓迎されそうなリモートワークも、実は彼らには「つながり」を断つものとして映っている可能性があるのです。

ポイントは「浅くつながる」「とにかくほめる」

では、Z世代部下のモチベーションを上げ、能力を伸ばしていくためには、昭和上司はどうすればいいのでしょうか。まず、ZoomやLINEでZ世代の部下とやりとりをする際は、彼らが求める「つながり感」や自己承認欲求を満たしてあげる必要があります。

Zoomなら表情をグンとにこやかにする、LINEなら一文で終わらせず優しい言葉を付け加えるなど、昭和世代に対する時とは違う心遣いが必要でしょう。そして、最も大事なのは「とにかくほめる」こと。とは言え、深く関わろうとする姿勢は彼らにとっては意味不明なので、あくまで「浅く」がポイントです。

昭和世代、特に僕を含めた男性陣にとって、これは非常に難しいですね(笑)。ただでさえ人をほめるのが苦手なのに、まだ成果も出していない新人をほめなきゃいけないわけですから、半端なく気を使わなければなりません。今の管理職は世の中で最も気を使う職業なのでは、とさえ思います。

それでも、Z世代はこれから日本の中核を担っていく世代。優秀な子も多く、やる気と情熱さえキープできれば、きっと新しい価値を生み出していってくれるはずです。Z世代の特徴をつかみ、接し方を工夫しながら、上手に力を伸ばしていっていただけたらと思います。

構成=辻村 洋子

原田 曜平(はらだ・ようへい)
マーケティングアナリスト

1977年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。2018年よりマーケティングアナリストとして活動。信州大学特任教授。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。著書に『平成トレンド史』『それ、なんで流行ってるの?』『新・オタク経済』『Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』などがある。2019年1月より渡辺プロダクションに所属し、現在、TBS「ひるおび」、フジテレビ「新週刊フジテレビ批評」「Live News it!」、日本テレビ「バンキシャ」等に出演中。「原田曜平マーケティング研究所」のYouTubeチャンネルでは、コロナ禍において若者の間で流行っていることを紹介中。