お金持ちへの第一歩は消費パターンの可視化

代々の資産家ではないお金持ちは①節約家タイプ、②投資家タイプ、③高収入タイプに分けられることは何度も紹介しているが、このうち、節約家タイプのお金持ちのほとんどが家計簿をつけ、自分の消費パターンを分析しているという。

節約家タイプのお金持ちを目指すのであれば、自分の消費パターンを把握し、分析したほうがいいだろう。

「昔は手帳に記録するのを勧めていましたが、いまはスマートフォンの家計簿アプリを使えば、簡単に可視化できます」

家計簿アプリならキャッシュレスで使ったお金は自動的に記録されるし、現金で買い物した場合はレシートを写真に撮るだけでOK。1カ月ほど続けたら、自分の消費パターンを分析する。

「それによって、無駄なお金の使い方や節約のポイントが見えてきます」

たとえば、曜日ごとの消費パターンに着目すると、平日はほとんどお金を使わないのに、土日の出費が多いことに気づいたりする。なぜかと考えてみると、休日のデパートで買い物をしているのが原因だとわかる。

一日の中で時間帯別の消費パターンも分析しよう。たとえば、毎晩のように1000円ほど使っている人が原因を調べてみると、コンビニでスイーツを買うのが習慣になっていたりする。

そうした、「ちりつも消費」が毎月数万円に及ぶケースもあるだろう。

「ちりつも消費」が年14万kcalの摂取につながる

実は「ちりつも消費」がダイエットによくないとの調査がある。ファンケルが首都圏在住のアラサー(25歳~34歳)・アラフォー(35歳~44歳)の働く女性300人を対象に、「食生活実態調査」(2017年)を行ったところ、「ちりつも行動」が摂取カロリーにも大きな影響を及ぼしていることがわかった。

それによると、仕事のある日には約3割の人がカフェラテやカフェモカを飲んでいた。さらに、約5割の人が仕事の合間にチョコレートやクッキーなどの甘いものを食べ、約3割が自分へのご褒美として夜にスイーツを食べていた。

調査対象者全体で集計すると、約9割が何らかの「ちりつも行動」をとっていたという(図表1)。

アラサー・アラフォー女子のちりつも食習慣
※ファンケル「食生活実態調査」(2017年)より作成

これらの「ちりつも行動」にかかる金額は相当なものになるだろうが、摂取カロリーも恐ろしいことになっている。たとえば、朝にカフェラテ(94kcal)を飲みながらクッキー1枚(52kcal)とチョコひとかけ(22kcal)を週5日間続けた場合、1年間(52週)で4万3680kcalに達するという。

これは、体重50kgの女性が1日1時間のウォーキングを277日間実践しなければ、帳消しにできないカロリーだ。さらに昼と夜を加えた1年間の「総ちりつもカロリー」は14万244kcalに達する。

習慣になっている行動が財布にも体にも悪い影響を及ぼしていることになる。