これから注目すべき国はアメリカ・中国以外にこの5カ国!
これからウオッチすべき国は、アメリカと中国はもちろん、その2つの国のはざまにある国。それぞれの国の動きを探っていくと、その裏にある各国の思惑が見えてくる。
カギは中国との関係。日本の立ち位置は?
国際情勢の動きを把握するためにも、これから見るべき国は、アメリカ、中国はもちろん、インド、シンガポール、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国。
特に注目の国は、中国と何十年も国境争いをしているインドです。2020年の6月には、ヒマラヤ山脈地帯で武力衝突し、犠牲者が出ています。またインド政府はTik Tokをはじめとする、中国製のアプリ59種の使用を禁止しています。
シンガポールには、「チョークポイント」と呼ばれる交通の要衝「マラッカ海峡」があります。中国本土とビジネスをしたいけれど、目の前の交通を守るためにはアメリカの力が必要だよね、と言っています。シンガポールがどう動くかで次の覇権国が決まると言っていいほど、重要な国です。
カナダは、基本的にアメリカは感情レベルで嫌いな国。しかしアメリカからの要請を受けて、2018年12月にファーウェイの創業者の娘をバンクーバーで拘束しました。その報復措置として現在、中国は2人のカナダ人を拘束しています。この中国の人質外交で、カナダは大変な状況に追い込まれています。
そして、今まさに中国に貿易戦争を仕掛けられているのが、オーストラリアです。中国人が、オーストラリアの政治家を買収しようとしたことが明るみに出たのが16~17年頃。そこから関係が一気に悪化し、中国はオーストラリア産大麦の輸入に大型関税を課したり、人の行き来を制限したりして、ますます緊張状態が高まっています。
ニュージーランドも、中国の浸透ぶりが気になる国です。というのも、中国軍のスパイ養成機関にいた元軍人が、なぜかニュージーランドで国会議員をしていたからです。国会議員ですから、国の秘密も見られるし、ファイブアイズ(アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドによるUKUSA協定に基づく機密情報共有の枠組みのこと)の機密情報も簡単に見ることができてしまう。結局、それが現地メディアにすっぱ抜かれて国を揺るがすほどの大問題になりました。
日本も米中のはざまにいますが、今のところ、その中間でうまくやりたいよね、という立ち位置です。しかしオーストラリアの状況を見ていると、そろそろアメリカに助けてもらわないと大変なのかなという気もします。それでもまだ中国に寄ったほうがいいと言う人もいるのが、日本の現状ですね。