Q.17の目標は正直多すぎて……。覚えやすい方法はありますか?
A.SDGsの成り立ちを体系立てた図とともに「5つのP」で覚えましょう!
SDGsは地球規模の問題を解決し、持続可能な未来を実現するための17の目標ですが、それがさらに細かく169のターゲットに分かれるため、全部は覚えにくい、という声をよく耳にします。けれど「地球上の誰ひとりとして取り残さない」という誓いは、途上国も先進国も区別がなく、すべての人が取り組むべきもの。おまけに最初に述べたようにビジネスにおいて重要な指針となるわけですから、自然と覚えられたら楽ですよね。そこで国際連合広報センターが勧めているのが5つのPで分類する方法です。
5つのPとはPeople(人間)、Prosperity(繁栄)、Planet(地球)、Peace(平和)、Partnership(協働)のことで、たとえばPeople(人間)なら1(貧困)、2(飢餓)、3(保健)、4(教育)、5(ジェンダー)、6(水・衛生)となります。
同じようにProsperity(繁栄)=7(エネルギー)、8(経済成長と雇用)、9(イノベーション)、10(不平等)、11(持続可能な都市)。Planet(地球)=12(持続可能な生産と消費)、13(気候変動)、14(海洋資源)、15(陸上資源)。Peace(平和)=16(平和・公正)、Partnership(協働)=17(パートナーシップ)というように構造を理解し体系づけると覚えやすいはず。
これを自分たちにとって使いやすい形に変換したのが、スウェーデン発のウエディングケーキになぞらえた図解だったといえます。それぞれが「自分ごと化」して捉えることが大切です。
Q.アフターコロナ時代にSDGsは役に立つと思いますか?
A.こんなときだからこそSDGsを活用して苦境を乗り切りましょう!
2020年がスタートしたときには、まさかこのような事態になると予想していた人はいなかったでしょうが、世界は今まさに未曽有の危機を経験している真っただ中。私たちは変化の激流にもまれています。いわゆる大きなパラダイムシフトが起こっていると言ってもいいでしょう。
人々の考え方から働き方、そして生き方まですべての常識がくつがえり、右も左も、上も下もわからなくなっている今、それこそSDGsという羅針盤の出番です。たとえば会社の業績が新型コロナウイルス感染症の影響で一時的に悪化したとしても、17の目標を照らし合わせることで問題解決へのヒントが得られ、リスクを最小限に抑えるには? この先どちらに舵を切るべきか? という方向性が見えてきます。たとえ今ダメージを負っていたとしてもベターリカバリーが可能になるのです。
1度ブレてしまった軸を元に戻す――それもまたSDGsの大きな役割です。