近年、急速に認知度が上がったSDGsだが、ビジネスにおいて最高のツールだということを知らない人も多いだろう。なぜ必要で、どう実行すればよいのか――日本のSDGs発信第一人者の笹谷秀光先生に伺った。
持続可能な開発コンセプト。グローバル ネットワーク。環境問題。NASAが提供するこの画像の要素。3D レンダリング。
※写真はイメージです(写真=iStock.com/metamorworks)

SDGsは経営の羅針盤! “使ってなんぼ”の指標です

まず基本として、SDGsというのは「Sustainable Development Goals」の略で、エス・ディー・ジーズと読むのをご存じの方も多いと思います。SDGsは直訳すると「持続可能な開発目標」となります。これは2015年9月の国連サミットで採択された取り組みで、30年までに達成するために掲げた17の目標(ゴール)のことを指します。

これら17の目標とは、環境をはじめ、貧困や人権、教育などの問題解決をめざしたもので、たとえば「飢餓をゼロに」「人や国の不平等をなくそう」「海の豊かさを守ろう」といったものがあります。どれも生きていくうえで大事なことばかりですが、一方でわれわれ日本人にはなんとなくピンとこない部分があり、開発途上国が抱える課題、のようにどこか他人ごとと考えている人も多いのが実情。もっといえば、近年徐々に浸透しはじめてきたSDGsですが、「自分ごと」として捉えている企業は残念ながら少ないのが現状です。