約9カ月、とことん追求した機能性とデザイン性の両立

受賞したコラボバッグ「Awesome」は、2020年に迎えた「プレジデント ウーマン」の創刊5周年を記念して「何かキャリア女性の役に立つモノをつくりたい」と、2019年初秋より「コラボバッグ」製作を実現すべく編集部で動きはじめていたもの。

コラボレーションブランドの選定では、国内生産はもちろん、高いサステナビリティ意識、さらにモノづくりへの真摯な姿勢から、バッグブランド「トフ&ロードストーン」とタッグを組むことを決定。コアな読者であるPWサロンメンバー500人へのアンケートを皮切りに、キャリア女性のバッグの悩みをとことん追求した。

男性並みに働くキャリア女性の荷物は、男性並みに重いのが特徴。もちろんPCを持ち歩く女性も多い。大容量で、しかも管理職にふさわしい素材、高級感のあるデザインを実現するために、約9カ月、何度も試行錯誤を繰り返して誕生したのが、機能性もデザイン性もかなえる「理想のお仕事バッグ“Awesome”」なのだ。

こうした明確なターゲティングと製品コンセプト、キャリア女性が本当に求めていたビジネスへの実用性の高さが評価されたといえる。

あいにく当日は欠席となったが、バッグ製作に携わってくれた「トフ&ロードストーン」坂井一成代表は、「弊社の徹底した物づくりの追求と、『プレジデント ウーマン』さんの徹底した“伝える大事さ”の力の相乗効果によって、今回の素晴らしい賞をいただけたと思う」とコメントを寄せてくれた。

今後さらに活況が予想される女性視点のマーケティング

授賞式後の総括で「ハー・ストーリィ」の日野佳恵子代表は、「2020年は働く女性のWell-being(心身の幸福)が花開いた。2021年からはこれまで隠れていたブルーオーシャン(競合相手のいない領域)マーケットが巨大になる」と語った。

その理由として、①働く女性の急増、それに伴う②女性管理職の増加。働く女性たちが増えることで、社会や企業では、これまで不足していた③女性特有の健康管理知識がより求められるようになる。すると④婚活・妊活・育児家事労働などのファミリー問題の不整備も浮き彫りになり、次世代への社会課題として⑤リプロダクティブ・ヘルス/ライツが整備されていくのだという。

こうした2021年からの動きに、今回、最優秀賞、優秀賞を受賞した商品やサービスが見事にマッチし、「女性のあした」を見つめているとも語った。これからは、共に手を取り進む時代だからこそ、女性視点=生活密着型の視点が重要になってくるという。

「プレジデント ウーマン」は、確実に増えていくキャリア女性たちと共に考え、そして前進するため、役立つ記事や製品を届けていく予定だ。働く女性たちの未来が明るく、幸せに満ちるように。

第5回 女性のあした大賞
●最優秀賞 “#ワークマン女子”/ 株式会社ワークマン
作業服という男性視点中心の専門店から、女性、ファミリー、インスタ世代という新しい市場を開いたビジネスモデル。

【商品部門】
●優秀賞 “理想のお仕事バッグ Awesome” /プレジデント ウーマン編集部×トフ&ロードストーン
女性管理職・リーダー層の声を拾い、自社クラウドファンディングサイトを活用したメディアとして独自の事業モデルに取り組んでの成功事例。


●優秀賞 “ソイプロビューティ” /ハリウッド株式会社
プロテインは女性ホルモンのゆらぎを持つ心身のサポートに必要ながら、女性向けが少ないことに着眼。働く女性増加とともに重要なマーケットとなる。
【サービス部門】
●優秀賞 “ILLUMINATE チケットサプリ”/ 株式会社KOHKOH
生理周期に合わせたサプリが届くサブスク。女性ならではの不調と向き合い改善する、Z世代の女性が立ち上げた注目のサービス。
●優秀賞 “mentee” /キャリア美人株式会社
女子学生の就職内定支援をOG女性たちが導くマッチングサイト。不安を抱える女子学生の就職支援と心のケアを行う担任制度の助け合いモデルを実現。
(撮影=小林美菜子)