ESG指数への組み入れがありROEで収益性もチェック
1つ目は、ESG銘柄をどのように選ぶかですが、一般の人が個別企業のESGへの取り組みを評価するのは難しく、投資初心者は、大手機関が設定した代表的なESG指数に組み入れられているかどうかを参考にするのが無難です。
英国のFTSE インターナショナル社の「FTSE4Good Index Series」「FTSEBlossom Japan Index」、米国のモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル社の「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」などが有名です。今回はGPIFも参考にしている「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」の銘柄を対象にしました。
2つ目のポイントは収益性です。ESG銘柄は、環境、社会、ガバナンスに配慮する分、事業コストもかかっていることが多く、必ずしも株式投資で最重要である収益の伸び、成長性が高い銘柄ばかりではありません。そこで、稼ぐ力の大きさをROEで見ます。
ROEは自己資本利益率(Returnon Equity)の略で、自己資本(純資産)に対し、どれだけの利益が生み出されたのかを示します。企業が持っているお金を使い、事業活動をしてどれくらいもうけたかを表しているのです。今回はROE8%以上の銘柄に絞りました。
時価総額が大きく倒産リスクが低いもの
3つ目のポイントは、時価総額が一定額以上のものを選ぶことです。時価総額は株価×発行済株式数で表されます。時価総額が大きい企業は多くの投資家が成長を期待して投資しているということになります。株価の変動リスクが小さく、比較的安定しているため、投資初心者に向いています。ここでは、時価総額が3000億円以上の銘柄を選びました。
以上が選定方法ですが、買い方、持ち方についてもポイントが2つあります。まず、買う時期ですが、投資初心者には「時間分散投資」をおすすめします。100万円を四半期ごと、4回に分けるというように、機械的に日を決めて、少しずつ買っていくのです。
最安値では買えませんが、一度に全額投資して、高値づかみする失敗は防げます。長期に分散して買うことで、購入単価は平均されるので、急な価格変動があっても慌てる必要はありません。天才投資家も、すべて最安値で買い、最高値で売り抜けることなどできません。
また株式投資は、基本的には購入時よりも値上がりしたときに売って、「利益確定」をして収益を得る(これをキャピタルゲインといいます)ことがひとつの大きな目的ですが、ESG銘柄は、短期の値動きに惑わされず、最低1年以上は持ち続けてください。ここで選定した銘柄は急に何倍にもなったりはしませんが、値動きは小幅でも、長期で成長が見込めるものばかりです。1年持ってみて、どのくらい上がっているのか確認して、売るか、持ち続けるかを決めればいいのです。