自己肯定感とは、そのままの自分でOKと思えること。自己肯定感が低いと、他人と比較して劣等感を持ったり、ストレスを抱えたりしがちになります。ふだんは自己肯定感が高くても、体調や気分などコンディションが悪いと下がってしまうのは誰にでもあること。今日の自分を理解し、自己肯定感を取り戻すために有効な自問自答の方法を産業医の井上智介先生に教わりました。
オフィスで働くビジネスウーマン
写真=iStock.com/Asia-Pacific Images Studio
※写真はイメージです

「質問」の意外な効用

実は「自分に質問する」のは非常に大事なことです。なぜかというと質問することで、今まで意識を向けていなかったところに、意識を向けるきっかけになるからです。

特に自己肯定感を高めるためには、意識を自分に向けて、より自分を知ることが重要になってきます。ここでは、そのための質問を5つご紹介しましょう。

①自分の価値基準は何か

自己肯定感が低いときは、何かを人に与えたり仕事で成果を上げたりするなど、とにかく何かをしていないと、自分は価値のない存在だと思いがちです。

当然ながら、人は何かしているから価値があるわけではありません。大切なのは、人に認められることに価値を置くのではなく、自分は自分のままでいいと思える価値基準を持つことです。

今はSNSなどで人と比べやすくなっているため、周りの友人と比べて「いいね」の数が少ない、あるいは友人からフォローをはずされた、そういったことが自分の価値とリンクしがちです。しかしそこは、かなり注意が必要です。

友人の投稿が自分と合わないなら、それは合わないという判断が正しい。自己肯定感を確認するために、まず自分の価値を決めるものは何なのか、自分に質問してみましょう。相手に合わせることなく、素直な気持ちを表現できることを一つの価値基準にもちたいものです。そのうえで、その価値基準を大切にしているかどうかを自分に問いかけてみてください。自分の価値基準を改めて自分に言い聞かせることができるでしょう。