自分でも気づいていないクセに注意

食事をする前、すべてにおいて香りを確認するクセのある人も要注意。

ワインなどは別ですが、お皿ごとに香りを確認してから食べ始めるのは、見た目にも美しくありません。これは、自分では気づいていないけれど、ついやってしまう人がいるので習慣の問題。もちろん料理は香りも楽しむものですが、お皿に顔を近づけて……はちょっとやりすぎ。

「咀嚼音を立てない」や「口に食べ物が入っているときにおしゃべりしない」というのはよく言われることですが、素敵に感想を述べようとして、必要以上に香りを確認するのは美しい所作ではありません。自分の食事マナーを客観的に見て、日頃から気をつけるようにしましょう。

「失敗しない」よりも大切なのは、その後の対処

万が一、フォークやナイフが落ちてしまったときにもマナーがあります。

うっかり落として大きな音が出てしまったことに動揺し、何事もなかったかのようにササッと拾ってしまいたい気持ちもわかります……が、そこは落ち着いてサービス係りのスタッフを呼びましょう。落ちてしまったカトラリーやナプキンは、自分で拾ってはいけません。同席する人が落とした場合も同様です。

いちばんいいのは落とさないことなのですが、誰しもうっかりすることはあります。仕事同様、問題はその後の対処。そっと手を挙げて新しいものに交換してもらいましょう。たとえ落ちたのが椅子やソファの上でもお願いしましょう。それがレストランや食事相手への敬意にもつながります。

料理の取り分けを率先してやるのは、時と場合による!?

お寿司を食べる二人のエレガントな女性
写真=iStock.com/anatoliy_gleb
※写真はイメージです

また、料理の取り分けについても同じ。ひと昔前は“気が利く女性”というイメージがあり、率先してやったほうがいいことのように感じますが、そこも落ちついて。取り分けも基本はスタッフにお任せしましょう。洋食はとくに、美しく完成された見た目も楽しむのがマナーです。

カジュアルなお店であれば食事の相手によって、タイミングを見ながらどちらかがスムーズに行います。「女性だからやるべき」「男性が気を配るべき」という考えは時代遅れ。そして、なかには気を遣われたくないと感じている人もいるでしょうから、素直に、かつ、やんわりとコミュニケーションをとりながら臨機応変にするといいでしょう。それこそが質の高いマナーです。