初心者がはまりやすい落とし穴3つ
結論から言うと、ワーケーションを満喫できない人の落とし穴は、大きく3つあります。
②観光オンリーとなり仕事が手につかない
③結局ワークオンリーになる
いずれも新型コロナ流行の前から日常的にワーケーションを実践してきた達人たちよりも、初心者がはまりやすい落とし穴です。順に解説していきます。
落とし穴①何となく滞在先を決めてしまう
1点目は、ワーケーションの目的を考えずに、何となく滞在先を決めてしまうこと。例えば「目の前にビーチが広がっていたら、仕事に集中できそう」「人に邪魔されない山の中だと、仕事がはかどりそう」などと、イメージで選んでしまうケースです。もちろん、そうした非日常を味わうことはワーケーションの醍醐味です。ただ、結果的に仕事がはかどらなかったら、ワークの要素を含まない、単なるバケーションになってしまいます。
私は以前、ワーケーションの最中、ビーチにテントを立てて原稿を書こうと試みたことがあります。子どもを海で遊ばせながら、仕事ができると期待したのです。しかし、実際には数行書いたところで、断念しました。まず、砂がパソコンのキーボードに入り込みそうになる。夏だったので暑くて仕事に集中できない。何よりビーチで机を広げるわけにもいかず、快適な椅子にも座れず、腰や肩が痛い!
結局、その日はパソコンを閉じて、iPadやスマホでの仕事に切り替え、仕事内容も原稿執筆から、構成作成などの企画寄りのものに変更しました。そこで普段は望めない海岸線を眺めていると、アイデアが膨らみ、結果的に構成をスラスラまとめることができたのです。
ここで気づいたのが、ワーケーション先での仕事には、場所によって向き不向きがあるということ。つまり、「どんな仕事をしたいのか」を考えてから、滞在予定を組むことが重要だったのです。
海岸や山中など、ワーケーションならではといえる自然に囲まれた環境で仕事するのであれば、比較的向いているのは新事業の構想を練ったり、文章の構想を考えたりといった、企画や考察を中心とする仕事です。一方、パソコンを使った事務作業や遠隔会議などは、疲れにくい机と椅子、さらにWi‐Fi環境も完備したコワーキングスペースなどの施設面を重視すべきでしょう。事務作業をリモートで片付けたいのか、あるいは普段は浮かばないような新しい構想を練りたいのか。目的によって、滞在先に求めるべき環境は全く異なるのです。