アルバイト、パートでも年金は増やせる!

パートやアルバイトで働いている人も、年金を増やすことができます。

現在は週30時間以上の勤務、従業員数501人以上の会社では週20時間の勤務、年収105万6000円(月収8万8000円)などの条件を満たすと厚生年金に加入となります。さらに2022年10月からは週20時間以上、従業員数101人以上、2024年10月には同51人以上に拡大されます。

例えば月収厚生年金に加入すれば年金が増え、月収10万円で20年働くと、年額で約13万2000円、年金が増えます。

ちなみに、シングル女性や夫が自営業の人が、アルバイトで働いたり、専業主婦になったりする場合には、国民年金の保険料を支払う必要があります。保険料は月額1万6540円(2020年度の額)。対して、厚生年金に加入すると、保険料の半分は事業主負担のため、月収10万円では保険料の自己負担は8967円。保険料の負担は減って、年金額は増える、というわけです。

「独立開業のために、1~2年の間、アルバイトをしながら勉強」といったキャリアプランを考えている人は、その間も厚生年金に加入できる働き方が有利だということを念頭においてください。

再雇用で年収200万円稼ぐと、年金は……

60歳定年で、65歳まで働くのはもう当たり前になっています。例えば60歳の定年退職後、再雇用で65歳まで年収200万円で働き、厚生年金に加入し続けると、65歳からの年金額は5万5900円増え、100歳まででは約196万円増えます。

厚生年金の加入は70歳まで可能で、60歳から70歳まで年収200万円で働けば、年金は11万1,800円アップ、100歳までで約391万円の増加です。

60歳以降の厚生年金加入でどの程度、年金が増えるかは、次の式で計算できます。

定年後の年収÷100×5500×働く年数=年金の増額分(年額)

例えば年収300万円で5年働く場合、「300万円÷100×5500×5年=8万2500円」です。

もし年収300万円で10年働ければ、16万5000円です。

実際には定年前を含め、会社員であった全期間の平均年収を基に計算されるため、あくまで目安ですが、おおよその金額として参考にしてください。

60歳以降の働き方としては、勤めていた会社の再雇用で働くほか、転職や起業も考えられます。

多くの人は年金が受け取れるのは原則65歳からですから、60歳でリタイアすると、年金の受取開始までの5年間は無収入となり、資産を取り崩して生活することになります。仮に毎月25万円で暮らすとすれば、年間300万円、5年間で1500万円、資産を減らすことになりますが、働いて収入を得れば、資産の取り崩しを抑えることができ、そのうえ、65歳からの年金額を増やすことができる、というわけです。