アイテムごと一律料金、生地代込み1万円台で洋服をフルオーダーメイドできるサロン「Fit Me Order made」(フィットミーオーダーメイド)を起業した星田奈々子さんは、8年間会社員をしながらパラレルキャリアで事業を育てた。2014年に“二足のわらじ”に終止符を打ち、事業に専念してきた星田さんは、コロナ禍で迎えた試練をどう乗り切ったのだろうか。
Fit Me Order madeの星田奈々子さん
撮影=プレジデントウーマンオンライン編集部
Fit Me Order madeの星田奈々子さん

息をするだけでもお金が出ていく

会社員として働きながら、パラレルワークでフィットミーを経営していた星田さんは、出産を機に2014年に勤めていたリクルートを退社した。まず星田さんが行ったのは、サロンを借りることだった。

「もともと実家のリビングを使って家賃をかけずにやっていましたが、お客様にもっと気軽に足を運んでいただけるように、同じマンションの下の階に部屋を借りました。初めて『息をするだけでもお金が出ていく』という経験をして、ドキドキしましたね」

「広告は出さない」と決めていたので、営業のスタートは身近な友人10人にフルオーダーの服を1枚ずつ無料プレゼントするところから始め、評判は口コミで広まった。退社後は、そうしたネットワークにも助けられつつ、取材の依頼が増え、メディアの力でも顧客が広がった。さらに最近ではネット検索やインスタグラムからの顧客も増え、その数は数千人に。受注会も東京だけでなく、大阪、名古屋、福岡でも行うようになった。