無症状の感染者からの感染リスクが高い新型コロナウイルス

SARS、MERSともに病原体はコロナウイルスです。変異しやすく、どんな厄介なものが生まれるかわからないという点が、今回の新型コロナウイルスとの共通点。異なるのは、SARSやMERSよりも致死率は低いものの、無症状の感染者が多いうえに、症状があらわれる前に感染力のピークがくるため感染を広げてしまうリスクが高いなど、感染力が非常に強いこと。その点ではSARSやMERSよりも、タチが悪いといえるでしょう。

2020年3月に、世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、パンデミックに相当すると表明。変異しやすいといった特徴から、今後さらにタチの悪いものがあらわれる可能性も否定できません。(秋田さん)

SARS、MERSよりタチが悪い!? 新型コロナウイルス

構成=池田純子 写真=Getty Images 年表原案=秋田総一郎

秋田 総一郎(あきた・そういちろう)
世界史研究家

企業に勤務するかたわら、社会科系の著作やセミナーを行う。著書に『“中心”の移り変わりから読む 一気にわかる世界史』(日本実業出版社)がある。