父の財産が1億円以上! 相続税を減らすためにプランニング
【財産】家、預貯金、土地
数年前に母は他界し、父は老人ホームに。父の財産は、今は空き家の実家、駐車場などいくつかの土地、預貯金などで1億5000万円。計算すると相続税は1000万円以上! このままだと私たちの持ち出しになるかも……!?
E美さんの家のように財産がたくさんあると、生前対策をしなければ将来、多額の相続税を支払うことになります。相続対策で知っておきたいのは、現金は持っていても課税評価は額面のままということ。しかし家や土地は賃貸にすれば「小規模宅地等の特例」が使えて課税評価がぐんと下がります。ですから相続税を減らしたいなら、現金で不動産を買って貸し、すでに持っている空き家や空き地は売却など資産組み替えが必要なのです。
そこで、実家は貸し出すことを提案しました。また駐車場も空き地ですから固定資産税が高い。建物を建てると6分の1に下がりますので、駐車場や未利用の土地はアパートを建てるか、売却して別の不動産を買うことを検討してもらいました。さらに残った現金で、生命保険に加入すれば、相続税はゼロに。結局、E美さんは実家を貸し出し、土地は売却して新たに不動産を購入。生命保険にも加入し、相続対策に間に合いました。
「小規模宅地等の特例」
用途や面積など一定の要件を満たせば、事業用や賃貸用、居住用の土地の評価額を引き下げることができる。
「配偶者の税額の軽減」
被相続人の配偶者の課税価格が1億6000万円までか、配偶者の法定相続分相当額までなら配偶者に相続税がかからない。
「事業承継税制」
会社や個人事業の後継者が取得した一定の資産について相続税の納税が猶予される。