財産が少ないからこそ、もめごとに発展!
「うちは家族関係が円満だから大丈夫」と思っていても、いざとなるともめるのが相続というもの。
私たちの事務所に相談に来られる方たちの中では、だんとつに多いのが“兄弟姉妹”での争い。たとえ仲良く育っても、それぞれ独立した世帯になると価値観が変わってくるのです。もめる理由では“それぞれの主張が対立する”“一部の相続人が一方的に話を進めている”など相続人同士のコミュニケーション不足が顕著。お互いが譲歩できずに話がまとまらないケースも多くあります。身近な相続人が財産を開示しないのも、もめごとの原因に。
財産が多いからもめると思いがちですが、実はその逆。財産がそんなに多くないから、みんなが満足いくように分けることができず、もめるのです。
また、分けにくい財産の筆頭は、家や土地といった不動産。たとえば相続人の1人が亡くなった親と同居していて、財産は家だけで預貯金はほとんどないというのはよくあるケースです。預貯金が残っていなければ、家を相続する人が他の相続人にお金を払うことになりますが、ここがなかなかスムーズにいかない。親と同居していた人は「親の面倒を見たから家はほしい」、同居していなかった人は「家賃を払っていないのだからお金は分けてほしい」などと、双方に主張の食い違いがあることが多いからです。