▼実践者に聞きました
子育てや本業優先での自己実現を。将来的に法人化も!
カゴメ北海道支店の第一営業課に勤務する長谷川千尋さんは、1000人以上の食生活の改善指導をもとに習慣化メソッドを独自に考案し、“美習慣コーチⓇ”として事業を開始。ホリスティックな観点から、食生活、美容、運動指導、キャリアコンサルティングなど顧客のさまざまな悩みに応える。
「お客さまの理想の在り方を引き出すことで、本業でも、利益優先ではなく、お客さまの課題の先にあるものを引き出すような関わり方に徹しています。その結果、関係構築のスピードが格段に速くなり、本業でも大きな成果を得られるようになったのです」と長谷川さん。企業や百貨店の依頼を受けたセミナー、サロンでのフェーシャルマッサージやコーチングを行う。労働時間の制限があるので積極的な宣伝はしていないが、障がい者の弟を雇用したいので、いつか法人化する夢がある。
スキルアップと社会貢献のための「プロボノ」活動
「プロボノ」とは、職業上の専門知識やスキルを無償提供する社会的な活動のこと。ボランティアの一種だが、たとえば街の清掃や募金などとは違い、「ビジネススキルや専門知識」を駆使した活動を指す。プロボノ希望者を募り、NPOなどへのマッチングを通した支援を提供するサービスグラント代表理事の嵯峨生馬さんによると「これまでに3800人以上が、800以上のNPOや地域団体に支援をしてきました。基本的には異なる専門性を持った登録者がチームを組んで、期間を決めて支援先をサポートします。現在団体で多く求められているのは、各プロジェクトをまとめるマネジャー。本業で活躍している方がスキルを生かしています」。
交通費などの必要経費の補助があるが、金銭的な報酬はなし。それでも得るものが大きいのだろうか。
「普段の生活では出会えない多様な背景の人々と仕事ができ、支援先と濃密な信頼関係が築けるので満足度が高い。無償だからといって仕事のクオリティーを下げるわけにいかないので、本業のスキルアップにも役立つという声が多いのです」
プロジェクト終了後、支援先から有償で仕事を引き受けるケースもある。副業を始める前の“力試し”で参加することもできそうだ。