2019~2020年に副業を解禁した企業での実態を調査!

【京都北都信用金庫】地域貢献のために、職員が観光産業を支援

全国の信用金庫の中で初めて副業を解禁。同庫の顧客である飲食店から「観光客が押し寄せて人手が足りないので手伝ってほしい」と理事長が相談を受けたのがきっかけ。入庫3年以上の職員全員が対象、土日祝日の朝8時から夜6時までの就業、週1日の休日確保が条件。2020年3月現在で男性9人、女性5人が飲食店や整骨院で働き、観光協会の催事に携わる。職種の制約はないが、地元貢献を目的に行う人が多い。

【アサヒビール】勤続5年以上の全社員に許可

2018年4月1日より満60歳の定年退職後に再雇用されたシニアスタッフを対象に副業を認めていたが、20年1月より雇用形態にかかわらず、勤続5年以上の全社員に副業を許可。副業を通じて高めた知識やスキル、多様な価値観に触れた経験などを社内の業務に生かし活躍の場を広げることを可能にすることで、社員の成長やキャリア形成を支援する。競合他社など競業により利益を害する副業は禁止されている。

【サイバーエージェント】グループ間の副業を、会社がマッチング

副業は2015年から申請制で解禁。さらに19年10月からグループ間での副業をマッチングする制度「Cycle」を展開。副業をしたい社員と案件をマッチさせるためのポータルサイトも始動。エンジニアやクリエーターなどが対象で、通常業務以外にグループ他社の仕事の請負を可能にした。1件あたりの報酬は数十万円で上限はなし。成立案件は9件(20年5月現在)で、グループ会社の人材不足の解消につながっている。

【SMBC日興証券】フリーランスとして、他社の仕事もOK

自社だけでは得られない知識やスキルの習得などでイノベーションを創出する意図で2020年4月1日から申し込み受け付け開始。社歴4年以上の全社員が対象で、職種の制約はなく、月30時間以内の就業が条件だ。同社の顧客情報や社員情報、リソースを利用した副業、通常業務に支障をきたす恐れのある副業、信用や評判を落としかねない副業は禁止。5月現在、十数人が応募中であり、申請内容を確認中だ。

【カゴメ】社外での学びや経験を、カゴメでの業務に生かす

副業を導入した主な目的は、社外での学びや経験を業務に生かすこと。「働き方の改革は生き方改革」を掲げ、労働時間を削減できた社員が個人の可処分時間を有効活用できるようにした。入社2年目以上(新卒は4年目以上)の全社員が対象で、社内での時間外労働時間と合計して45時間以内。2019年5月現在の実践者は15人ほどで、男女比率は5:5。副業を開始後、労働時間の報告(主に健康確保が目的)が必要。