または趣味を副業にするのもいい。「趣味を仕事にできたら人生が豊かで楽しくなりますよね。でも、ある程度の金額を稼ごうと思ったら、ハイレベルなスキルが必要なので、相当の努力が必要です」と端羽さん。「二足のわらじで確実に忙しくなるので、長く続けるには楽しくないと疲弊するだけ。本業に差し障りがあっては本末転倒です。だから“楽しさとスキルアップ”の両面でバランスが取れた副業を選ぶこと」が大切だと南さんは指摘する。
“仕事を分解する力”が副業には必要
3人とも口をそろえるのは「本業で優秀な人は、副業でもよい結果を出しやすい」ということ。時間を有効に使うタイムマネジメント力、マルチタスクをこなす能力、さらには“仕事を分解する”力もあるからだ。仕事を分解するとは「この仕事はどれくらいの時間をかけて行うのかをまずは見極めます。そのゴールを見据えたうえで第1段階、第2段階、第3段階と仕事のステップを刻み、計画的に細かくアウトプットができること」だと南さん。
折しもコロナ禍の影響でリモートワークが各企業で進められているが、こういう働き方が苦手な人は仕事の分解能力が低い。リモートだと、ついだらだらして仕事がはかどらず無駄に過ごしてしまう、1日、1週間、1カ月単位での計画が立てられない人は、副業をするのには向かないというドキリとする意見も。
「成果さえ上げられればいいのかもしれませんが、“気合一発で徹夜で仕上げる”という無計画型や、感性だけで仕事をする人も副業には向かない。コミュニケーション力があり、レスポンスが早くていつでも連絡が取れるなど、人として信頼が置ける人材が売れっ子になれるようです」という南さんの見解には納得だ。
また、副業での働き方を考える際には、自分がライフステージのどこにいるかを把握するのも重要だと端羽さんは言う。「小さなお子さんがいるママであれば、隙間時間でのスキルシェアサービスがオススメ。時間に余裕があるのならば、一番得意なことでガンガン稼ぐのもよし。将来のために本業から離れたスキルを磨きたいのであれば、単価が安くても勉強だと思って頑張ってみるのもよし。副業こそ柔軟に働けるので、中長期でのキャリア構築プランを持つことが大切です」
副業を始める前には、キャリアの棚卸しのほか、何のために副業をするのか、そしてこの先どう生きていきたいのかといった自分への問いかけも必要だ。「30代までは副業の理由はお金のためと答える人が多い。それも大切な動機です。でも40代以降になると社会貢献や誰かの役に立ちたいと答える人が多くなってきます」と窓岡さんは目的を明確にする重要性を語る。また「副業で得たお金もスキルも、未来の選択肢を増やし自由度を高めます。選択肢が多い未来はとてもすてき。自分の人生を主体的に生きるという実感を持ってほしいですね」と端羽さん。新しい働き方を求める人には、勇気づけられる言葉だろう。