週一の会議より毎日5分の電話が有効

「以前であれば週1回、あるいは月1回程度集まって会議をするのが当たり前でした。普通の会社では月1回、月次の報告会を開いています。しかし毎回数時間かけて行うよりも今は毎日の5分の電話での会話のほうが大事であることを実感しています。『昨日の進捗はどうですか』と、軽い感じで声をかけると『これちょっと困っているんですがどうしましょう』といった相談事も出てくる。何気ないフワッとした会話はじつはチャットでは出てこないし、電話だと話しやすいのです」

前出の澤田さんがまさに取り組んでいるのが生産性を高めるためのコミュニケーションマネジメントだ。

「今はオンラインのフルリモートで働いていますが、メンバー間のコミュニケーションを高める仕組みを開発し、個々の持つ能力が化学反応を起こし、シナジーを生み出すようにしたいと考えています。今後、プロ人材やジョブ型で働く人が増えてくると思いますが、優秀な人がMEJで一緒に働きたい、何かをやってみたいと思えるような仕組みをさらに進化させていきたい」と語る。

ウィズコロナ時代の中で従来のビジネスモデルや働き方も大きな転換点を迎えている。社員ゼロ、自立したキャリアを持つフリーランス人材の活用という同社のスタイルもその1つだ。

溝上 憲文(みぞうえ・のりふみ)
人事ジャーナリスト

1958年、鹿児島県生まれ。明治大学卒。月刊誌、週刊誌記者などを経て、独立。経営、人事、雇用、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍。著書に『人事部はここを見ている!』など。