母親世代はいったんキャリアを中断したケースが多い

【原田】女性は出産を機に退職する人も多くて、キャリアが中断してしまいがちなんだ。皆のご両親はどうしていたのかな。

【落合くん】両親は職場結婚なんですが、母は出産を機に退職しました。その後、育児が落ち着いてから別の職場でパートで働き始めて、それからはずっと共働きです。

【曽我くん】うちも同じです。母は出産・育児でいったん退職して、僕が小学校高学年になった頃からパートを始めました。

【鈴木さん】母は、私が小さい時は夕方に帰れる事務の仕事をしていて、中学生になった頃からフルタイムの仕事に戻りました。

【原田(梨)さん】私の母はずっと専業主婦です。

【原田】なるほど。原田さんのお母さん以外は皆、いったんキャリアを中断しているんだね。で、パートとして仕事に復帰した人もいる、と。この状況はまさに今の時代を表していて、2019年、女性の就業者数が初めて3000万人を超えたと言われました(総務省「労働力調査」6月)。2012年の安倍政権誕生以来、約300万人増加。2018年の15~64歳の女性の就業率は69.6%に達し、先進国でも高い水準に。ところが、実際は女性の就業者が300万人増えたといっても、そのうち週35時間未満のパート労働者が全体の8割以上を占めており、「男女参画社会」をキーワードの一つにしていた安倍政権下で進んだのは実は女性の「パート化」だったという説があります。ところで、鈴木さんはそんなお母さんの姿を見て、自分はどうしたいと思っているのかな。

【鈴木さん】私も母と同じように、時期によっていったんキャリアを止めて、その後フルタイムに復帰したいです。でも周りには、ずっとフルタイムで働き続けたいという子が多いですね。「なぜ私だけ仕事を辞めなきゃいけないの、2人の子なんだから夫が働くなら私だって働きたい」って。

男性育休「ぜひとりたい」のは男子のほう

【原田】そうすると夫にも育休をとってもらって、2人で育児の時間を調整しながら働いていく必要があるよね。次に、男性の育休について意見を聞いてみたい。男性が育休をとって協力すれば女性がキャリアを中断せずに済む、あるいは早く職場に復帰できるのではと言われているよ。それについて男子はどう思う?

【曽我くん】僕は、男性も育休をとれる企業に就職したいと思っています。仕事も家事も夫婦で対等にやっていきたいので、それは育児でも同じですね。

【原田】すごい。男性の育休取得が男子の就職先を選ぶ一つの選択肢になっているんだ。

【落合くん】育休はとれるならとると思います。でも3〜4年とか長期間は無理ですね。キャリアに影響が出るだろうし、職場に戻っても皆に追いつくのが大変だと思うから。3カ月ぐらいならぜひとりたいけど、それじゃ短すぎて奥さんが大変っていうことだったら、それこそ家政婦さんを頼むとか。