女性の評価は綱渡り。どちらに転んでも批判される
女性リーダーは強すぎても弱すぎてもダメ。許容範囲が狭いのです。フェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグさんは「女性が職場で話すとき、まるで綱渡りをしているようなもの。一方に転べば、まったく耳を貸してもらえない。もう一方に転べば、攻撃的すぎると批判される」と語っています。バランスが難しいのです。
米国のスタンフォード大学の研究では、もっとも成功する女性リーダーは「カメレオンタイプ」であると結論づけています。つまり、男性らしさと女性らしさをカメレオンのようにくるくると上手に使い分けられる人がもっとも出世するのだそう。
共感型リーダー像が求められる今、人の話を聞く力や感情を読み取る力にすぐれた女性こそ、リーダーとして活躍できる時代なのです。
コロナ禍で注目を集めた、世界各国の女性リーダーの特徴
コロナ禍の外出自粛期間中、日々のニュースをにぎわせたのが、各国の女性リーダーたちの活躍。世界中の女性たちが彼女たちに拍手を送ったことだろう。国を救ったともいわれる彼女たちは、どうやって国民の共感を得ることができたのか。2つのタイプに分類した共感の源をチェックして!
おっかさん系
A・メルケル首相(66歳)/ドイツ
物理学者の知見を生かし、早期に最大で人口の7割の感染を予測。「真剣に」と呼びかけ、徹底した検査と行動制限で抑え込んだ。
蔡 英文総統(64歳)/台湾
冷静な決断力で迅速に対応。感染流行の兆しが見え始めた1月、124の措置を発表し封鎖措置を回避。欧米諸国にマスクを提供。
E・ソールバルグ首相(59歳)/ノルウェー
大人の参加を禁じた記者会見を開き「恐怖を感じるのはいけないことではない」と語りかけた。慈しみの心が共感を集めた。
小池百合子都知事(68歳)/日本・東京都
戦略的コミュニケーションにたけた“小池流”を新型コロナ対策でも発揮。独自のフレーズを使い感染拡大防止を呼び掛けた。
お姉さん系
J・アーダーン首相(40歳)/ニュージーランド
「We must go hard and go early(厳しく早く)」と唱え、早期にロックダウンを断行。迅速で的確な対応とコミュニケーションが絶妙。
M・フレデリクセン首相(42歳)/デンマーク
子どもたちとの3分間の記者会見を開催。ロックダウン中に歌を歌いながら皿洗いする映像をSNSにアップ。ユーモアも評価された。
S・マリン首相(34歳)/フィンランド
ソーシャルメディア上のインフルエンサーを新型コロナ対策に動員。感染拡大防止に向けた正しい情報発信の協力を要請した。
K・ヤコブスドッティル首相(44歳)/アイスランド
全国民に無料のウイルス検査を提供。テクノロジーを活用し、感染者の徹底的な追跡システムを導入。ロックダウンや学校閉鎖も回避。
構成=歌代幸子 イラスト=Maiko Sembokuya 写真=iStock.com
「伝説の家庭教師」と呼ばれるエグゼクティブ・スピーチコーチ&コミュニケーション・ストラテジスト。株式会社グローコム代表取締役社長。早稲田大学政経学部卒業。英ケンブリッジ大学国際関係学修士。米MIT比較メディア学元客員研究員。日本を代表する大企業や外資系のリーダー、官僚・政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチ等のプライベートコーチング」に携わる。その「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれる。2022年、次世代リーダーのコミュ力養成を目的とした「世界最高の話し方の学校」を開校。その飛躍的な効果が話題を呼び、早くも「行列のできる学校」となっている。