本当にお金をかけるべきことは何か

彼らは他人からどう思われるかをあまり気にしません。

カッコよく思われたいとか、こんな格好では恥ずかしいといった感覚が希薄です。自分に自信を持っているから、服装で見栄を張る必要がないのです。

それはユニクロがダサいということではなく、シンプルなデザインゆえに普段着としても仕事の場面でも違和感がなく、堂々と着ていられるということです。生地や縫製の品質もハイブランドに匹敵するレベルで、着こなし次第ではむしろおしゃれに感じる人もいるでしょう(ちなみにいまから約35年前、私が中学生の頃に地元の岡山でユニクロを買ったことがあり、糸がほつれているなど安かろう悪かろうという印象でしたが、当時と比べても雲泥のクオリティだと感じます)。

服装で見栄を張る必要がないことに加えて、彼らにとってファッションは勝負するところではないため、そこにお金をかける必要がないと考えています。

事業家である彼らが重要なのは、仕事でパフォーマンスを高め成果を出すことです。しかしスーツでは動きにくいし夏は暑い(営業などで人と会う場面や人前に立つ場面は別として)。だからシャツにチノパンなどといった服装を好む傾向があるのです。

SNSではキラキラ写真だが、実は片付けができない……

むろん、自分のブランディングのために、あえて見た目にお金をかけている人もいます。

ただしそういう人たちは、自分が勝負すべき土俵ではお金をかけ、そうでない土俵では徹底的に省力化するという峻別がついています。

知人の起業コンサルタントは、SNSにアップする写真は高級スーツに身を包んでいますが、普段はTシャツとジーンズだと言っていました。

別の知人で貿易ビジネスで成功している女性も、やはりSNSではキラキラ写真を載せています。セミナーなどへの集客を考えると、やはり憧れられるイメージ作りが重要だからでしょう。しかし彼女はまったく片づけができないタイプで、自宅はすぐ汚部屋になるそうです(なので結婚してからは家政婦を雇っているとのこと)。

そして、どんな服を着るかを選ぶ時間も、新しい服を買いに行く時間ももったいないし、その判断が無駄だという人も少なからずいました(むろんファッション好きな人もいます)。

そういえばアップルの共同創業者、故スティーブ・ジョブズ氏はつねに黒のタートルネックにジーンズ、足元はスニーカーというスタイルを貫いていたことで有名です。