マーク・ザッカーバーグも毎日同じシャツ

また、米フェイスブックのCEOマーク・ザッカーバーグ氏は、Facebookの公開Q&Aセッションに投げかけられた「なぜあなたは毎日同じシャツを着るのか?」という質問に対し、以下のように答えています。

「僕は社会への貢献に関係しない決断はできるだけしないようにしている。これは多くの心理学的な理論に基づいていることで、何を食べるか、何を着るかなどのたとえ小さな決断でも、繰り返し行っているとエネルギーを消費してしまうんだ。

日々の生活の小さな物事にエネルギーを注いでしまうと、僕は自分の仕事をしていないように感じてしまう。最高のサービスを提供して、10億人以上もの人々を繋げることこそ、僕のすべきことなんだ。ちょっとおかしく聞こえるかもしれないけど、それがぼくの理由だよ」

またオバマ前アメリカ大統領も、「私は常にグレーか青色のスーツを着用している。こうすることで私が下さなければならない決断の数が減るんだ。何を食べるか、何を着るか決める余裕はないし、他に決断しなくてはならないことが山のようにあるからね」という趣旨の発言がありました。

シンプルライフで重要でない決断の数を減らす

彼らの口からそろって出てくる「決断の数を減らす」という言葉。

小さな決断でもその数を重ねることでエネルギーを消耗し、より大きく重要な決断の精度が落ちてしまう。

つまりライフスタイルをシンプルにして決断の数を減らしていけば、本当に重要な局面での判断に集中できる。そしてそれが自分の目的の達成や幸福に貢献するということなのでしょう。

他人からどう思われるか過剰に気にしないから自分の信念を貫ける。どこにお金をかけるべきか峻別できているから積極投資とコスト削減が両立できる。シンプルに生きることで重要な決断に絞っているから適切な判断につながる。

ここでは「服装」を「ユニクロ」の例として挙げましたが、これが他の全方位にわたって徹底しているために、彼らは富裕層になったのだと考えられます。

写真=AFP/時事通信フォト

午堂 登紀雄(ごどう・ときお)
米国公認会計士

1971年岡山県生まれ。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、コンビニエンスストアチェーンを経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。IT・情報通信・流通業などの経営戦略立案および企業変革プロジェクトに従事。本業のかたわら不動産投資を開始、独立後に株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズ、株式会社エデュビジョンを設立し、不動産投資コンサルティング事業、ビジネスマッチング事業、教育事業などを手掛ける。現在は起業家、個人投資家、ビジネス書作家、講演家として活動している。著書に『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)、『決定版 年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人』(Gakken)、『「いい人」をやめれば人生はうまくいく』(日本実業出版社)、『お金の才能』『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)など。