「仕事の生産性は、足し算ではなく引き算で決まる。」とクレディセゾン常務執行役員CTOの小野和俊さんは言います。より高い生産性と成果が求められるからこそ、時代の変化に合わせた仕事のアップデート方法を教えてもらいます。

※本稿は小野和俊『その仕事、全部やめてみよう――1%の本質をつかむ「シンプルな考え方」』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。

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※写真はイメージです(写真=iStock.com/MarkPapas)

人生の可能性を極大化させる「繰り返しの力」

プログラマーの仕事には「パフォーマンスチューニング」がある。これは、ソフトウェアの動作が遅くなる原因を調査し、課題をとり除いていく作業だ。

このパフォーマンスチューニングにとり組むとき、真っ先に注目しなければならないのが「繰り返し処理」だ。

例えば、Excelのシートやデータベースのテーブルのような表形式のデータを1件ずつ処理していく場合で考えてみよう。

縦の行数と横の列数とのかけ算の回数分繰り返し処理が行われる。仮にこの件数が縦に10万行、横に10列だとすると計100万回の処理が行われる。この100万回の「繰り返し処理」をたった1ミリ秒(1000分の1秒)でも速くできれば、全体の処理時間は16分も短くなる。

こうした「繰り返しの力」を日々目の当たりにしている私たちプログラマーからすると、人生はパフォーマンスチューニングの余地に満ち溢れているように見える。

人生の「繰り返し処理」は、効率化だけではなく、その人がその人らしく生きていく可能性を極大化するポテンシャルを秘めている。