「6種類の頑張る」を使い分ける
それを防ぐためにも、たくさんの「頑張る」バリエーションを持っておく必要があるのです。
そして、普段からどの「頑張る」を使うか意識しておき、その都度口に出していきましょう。これが、いい意味での「小さな自己暗示」になっていきます。
そのバリエーションとして、次の6つのような「頑張る」があります。
② ちょっと頑張ってみるか
③ できる範囲で頑張ってみるか
④ ボチボチ頑張ってみるか
⑤ 余裕があれば、頑張ってみるか
⑥ 誰かが頑張るでしょう
いくつか補足するなら、②の「ちょっと頑張ってみるか」は、「とりあえずやってみようか」くらいのイメージです。
③の「できる範囲で頑張ってみるか」は、壁にぶつかるまでやってみようかな、ということ。やり始めてつまずいたら、そこが自分ひとりで抱えるのをやめるラインと決めておいて、あとは誰かに聞いたりSOSを出せばいいという考えです。
④の「ボチボチ頑張ってみるか」は、つらそうなことは後回し気味に放置して、何とか期限に間に合いそうなところでボチボチと始めるイメージ。放置することに罪悪感を抱く必要はありません。
というのも、詳しくは省略しますが、これは心理学で言う「締め切り効果」を期待しているのです。ギリギリになればなるほど、やる気や集中力が出て、大変なことも短い時間でサッと終わらせることができてしまう、なんてこと、ありますよね。
そして、⑥などはもう他力本願です。でも、そんな「頑張る」も、あなたにとって必要になる時がきっと訪れます。
「すでに十分頑張っている」ことを忘れてはいけない
あなたがこれから頑張ろうと思っていることには、どの「頑張ろう」が当てはまりますか?
そこを自分で意識しないと、また無意識のうちに、今まで通りエネルギーがなくなるまで突っ走ることになってしまいますので、これを機会に考えてみましょう。
そして、どの「頑張る」かが決まった時は、小声で構わないので、ぜひ自分に言い聞かせてあげてください。この自分への声かけが、本当に必要な時のブレーキになってくれるはずです。
最後になりましたが、決して忘れてはいけないこととして、
「私はもうすでに、十分すぎるくらい頑張っている」
これを心に刻みつけてくださいね。
あなた自身が一番、自分の頑張りに気づけてないものなのですから。
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産業医・精神科医・健診医として活動中。産業医としては毎月30社以上を訪問し、精神科医としては外来でうつ病をはじめとする精神疾患の治療にあたっている。ブログやTwitterでも積極的に情報発信している。「プレジデントオンライン」で連載中。