思考が生まれる場所“シンキングプレイス”をつくろう
会議が嫌いな人って多いですよね。なぜ会議が嫌いなのか? 理由はこんなところでしょうか。
・単なる報告会になっていて、自分がそこにいる意味がない
・発言しにくい雰囲気で、声の大きな人だけが発言している
・会議の目的がはっきりせず、上司の会議好きに付き合わされている
確かに、こんな会議だと出たくないですよね。
でも、僕は会議がけっこう好きなんです。
僕にとって会議はスポーツに似ています。「思考のスポーツ」という感じです。特に好きなサッカーに会議を置き換えて考えています。参加メンバーは、みんなサッカー選手です。意見というパスを出し合い、ゴールを目指す。全力で会議に臨むので、会議終了後は、脳がクタクタになっています。
会議ではイノベーションや新しいアイデアが生まれにくいと言われますが、そんなことはないんじゃないでしょうか。やり方ひとつ。会議でもイノベーションやアイデアは生まれるはずです。
逆に、僕は会社のデスクではアイデアがまったく生まれません。会社のデスクは事務処理には向いていますが、僕にとって考える仕事、クリエイティブな仕事には不向きな場所です。
自分にとって最適な考える場所=「シンキングプレイス」をつくることは、大切です。ちなみに、僕が好きなシンキングプレイスは7つあります。電車の中、風呂、カフェ、散歩中、ランニング中、書斎、会議です。
いつの時代も人は“シンキングプレイス”を確保してきた
シンキングプレイスと命名したのには理由があります。
スマホがない時代は、生活の中にすき間時間がたくさんありました。その時間を「考える時間」にしやすかったのですが、スマホ普及後は、すき間時間はほぼスマホに侵食されている人が多いんじゃないかと思います。電車の中も、カフェも。会議中ですら、会議に集中せずスマホを見ている人がいます。そうなると、「考える時間」の確保が難しくなってしまいます。だから、命名をして、意識してその場所を確保することが必要になるのです。
昔から、文章を考えるのに最適な場所は三上(馬上、枕上、厠上)といわれてきました。いまでいうならば、電車の中、布団の中、トイレの中といったところでしょうか。そこが考えることに集中できる場所というわけです。シンキングプレイスは昔からあったわけです。
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1968年生まれ。東京都出身。聖光学院高等学校、慶應義塾大学文学部卒業。読売広告社を経て出版業界に転職。ぶんか社、アスキーを経て現在、アスコム取締役。長年、雑誌と書籍の編集に携わり、これまで企画した本やムックの累計発行部数は1300万部以上、10万部を超えるベストセラーは50冊以上に及ぶ。現在は本の編集だけでなく、編集という手法を活用した企業のマーケティングや事業構築、商品開発のサポート、セミナーや講演など多岐にわたり活動。著書に『パン屋ではおにぎりを売れ』『バナナの魅力を100文字で伝えてください』(共にかんき出版)がある。