(4)グラフや図を2つ以上入れない

最後に注意すべきことは、完成させたグラフや図が複数入ったスライドにはしないこと。オンラインでは特に「1スライドに1メッセージ」を心がけましょう。

例えばNG資料例④のように「イベント報告」をするならば、「来場者数」「人気テナントランキング」「満足度調査」などのグラフは、OK資料例④のように図1つにつき1スライドにします。データをひとつずつ見せ、プレゼンをわかりやすく進めていきましょう。

NG資料例④→ OK資料例④→(© 2020 AND CREATE)
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オンライン会議のスライドは20pt以上で

以上、情報量が多すぎる4パターンの資料を見てきましたが、資料全体のレイアウトも大事です。文字や見出しをいろんなデザインで囲ったり、青、赤、黄といろんな色を使ったりして凝りすぎると、見る人はそれに目が行ってしまって、かえって大事なポイントが頭に入りづらいもの。各要素をまとめるスライドも、できるだけすっきりしたデザインにするようにしましょう。

また、使用する文字が小さすぎるのもよくありません。リアル会議のスライドでは「16ptより大きく」をお奨めしてきましたが、オンライン会議では「20pt以上」が最適です。

ビジネスシーンではマイクロソフトのOfficeを使っている人が多いですが、最近はGoogleのスプレッドシートやGoogleスライドを使う人も増えています。相手にファイルを送ったときに使用ソフトが違うと、グラフなどが崩れてしまうこともあるので、事前に相手の使用ソフトを確認しつつ、資料のファイルはすべてPDF化しておくと安心です。プレゼンの際は万全を期しておきましょう。

構成=小田慶子 写真=iStock.com

清水 久三子(しみず・くみこ)
AND CREATE 代表取締役

大手アパレル会社を経て、プライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)に転職。企業変革、新規事業戦略立案・展開プロジェクトなどのリーダーとして活躍後、2013年に独立。人材開発や育成、企業変革などの分野で執筆、講演、コンサルティングを行う。『プロの資料作成力』(東洋経済新報社)など著書多数。